「食育」を趣味にして楽しむ

「食育って、子どもに栄養バランスがとれたものを食べさせるための知識でしょ?」と思われている方も多いのではないでしょうか。

食育は子どものためだけではなく、むしろ大人にとっても生活を豊かにする知識です。

本記事では、50代になってから食育の知識を学ぶことの楽しさと学び方をわかりやすくご説明したいと思います。

食育とは

食育とは

「食育(しょくいく)」とは、食に関する正しい知識を身につけ、望ましい食習慣を形成するため学びを指します。

食育は、単なる栄養学や食事の知識を教えるだけでなく、食を通じて健康や文化、自然とのつながりを学ぶ活動です。

例えば、野菜や果物の旬を知ることや、食品がどのように生産されるかを学ぶことも含まれます。

食育によって、食べ物への感謝の心が育まれるだけでなく、環境や地域経済への関心を高めることができます。

日本では2005年に「食育基本法」が制定され、農林水産省のホームページでは食育を以下のように定義しています。

食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるもの。

農林水産省ホームページ:「食育」とは

「食育」と聞くと、子どもに関することだと思われる方も多いと思いますが、食べることは生涯にわたって続く基本的な営みですから、大人になってからも「食育」は重要です。

食育の目的

食育の目的は多岐にわたりますが、主に以下の点が挙げられます。

  • 健康的な食生活の実現:栄養バランスの取れた食事を選び、偏食や暴飲暴食を防ぐ。
  • 食文化の継承:地域や家庭の伝統的な食文化を学び、次世代に伝える。
  • 自然や環境への理解:食物の生産過程や自然環境との関係を学び、感謝の心を育む。
  • 社会性の向上:食事のマナーやコミュニケーション能力を養う。
  • 食の安全意識の向上:食品の選択能力を高め、食品安全や品質に関する知識を得る

食育の目的は、健康的な食生活を身につけることだけでなく、食品の安全性や環境問題への理解を深めることも含まれています。

また、地域の伝統的な食文化の継承にも寄与します。

例えば、子どもたちが旬の野菜を知り、その味を楽しむことで、自然とのつながりを感じることができます。

また、地元の食材を使用した料理を作ることで、地域社会への貢献や地産地消の意識が高まります。

さらに、食品廃棄の削減を目指す取り組みとして、家庭での食材の使い切りレシピを共有する活動も効果的です。

50代から始める「食育」の楽しさ

「健康や栄養に関心はあるけれど、忙しい毎日の中でなかなか実践できていない」

そんな悩みをお持ちの50代の方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省の令和元年「国民健康・栄養調査」の結果によると『食習慣改善の意思について、「関心はあるが改善するつもりはない」者の割合が最も高く、男性24.6%、女性25.0%。(5頁:図1)』となっています。(令和元年「国民健康・栄養調査」の結果概要

健康寿命を延ばすためにも、日々の食事は大切です。

50代からでも食育を通じて、食の知識を深め、健康的な食習慣を身につけ、家族や仲間とのコミュニケーションを図るなど、十分に食育を楽しむことができます。

【メリット1】生活習慣病予防への効果

生活習慣病予防への効果

50代は、生活習慣病のリスクが高まる年代です。

適切な食生活は、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の予防に役立ちます。

バランスの取れた食事、適度な間食、塩分や脂肪の取りすぎに注意することで、生活習慣病のリスクを下げることができると考えられています。

【メリット2】食の安全性への理解

食の安全性への理解

食の安全性に対する関心が高まる中、食品の選び方や保存方法、調理方法など、食の安全に関する知識を身につけることが大切です。

食品表示の見方を学び、適切な衛生管理を心がけることで、食中毒などのリスクを減らすことができます。

【メリット3】食文化の継承と発展

食文化の継承と発展

日本には、四季折々の食材を生かした多彩な郷土料理や行事食など、豊かな食文化があります。

こうした伝統的な食文化を次の世代に伝えていくことも食育の重要な役割です。

また、他国の食文化に触れることで、食の多様性を知り、視野を広げることもできるでしょう。

【メリット4】家族や仲間とのコミュニケーション

家族や仲間とのコミュニケーション

家族や仲間と一緒に食事を作り、食卓を囲むことは、コミュニケーションを深める絶好の機会です。

それぞれの得意料理を持ち寄るポットラック形式の食事会や、テーマを決めた料理教室風の食事会など、楽しみ方はいろいろあります。

食育を通じて、家族や友人との絆を深めることができます。

50代からの食育の学び方

50代から食育を始めるには、まず自分自身の食生活を見直すことから始めましょう。

普段の食事内容をチェックし、改善点を見つけることが大切です。

そして、楽しみながら食育に取り組むことが長続きの秘訣です。

【学び方1】食の知識を学ぶ

食の知識を学ぶ

主食・主菜・副菜のバランスが取れているか、野菜や果物は十分に摂れているか、食塩や脂肪の取りすぎはないかなど、自分の食生活をチェックしてみましょう。

食事と体調の関係にも注意を払い、改善すべき点を見つけていきます。

【学び方2】料理教室やセミナーへの参加

料理教室やセミナーへの参加

料理教室やセミナーに参加することで、栄養バランスの取れた食事作りのコツ、旬の食材を生かす調理法、伝統料理の作り方など、多くのことを学ぶことができます。

また、同じ目的を持つ仲間と交流することで、食育への意欲を高められるでしょう。

【学び方3】農業体験や食品工場見学

農業体験や食品工場見学

食材の生産現場を訪れることで、食への理解を深められます。

農業体験では、野菜の栽培方法や収穫の喜びを体感でき、食品工場見学では、食品の製造工程や品質管理の取り組みを知ることができます。

食の背景にある人々の努力や想いに触れることで、食べ物への感謝の気持ちを育めるでしょう。

まとめ

まとめ

食育は、単に健康的な食生活を送るだけでなく、食の楽しさや喜びを感じられる豊かな食生活の実現につながります。

50代からでも、ぜひ食育を通じて健康的で豊かな食生活と食の楽しさを感じてください。

食育は楽しみながら取り組むことが大切です。

料理教室やセミナーへの参加、家族や仲間との食事会、農業体験や食品工場見学など、様々なアプローチで食への理解を深めていきましょう。

食育を通じて、心身の健康づくり、世代を超えた交流、地域とのつながりが生まれ、人生がより豊かになると思います。

ぜひ、50代からの食育にチャレンジしてみてください。