「久しぶりに体を動かしたいけれど、若いころのような激しい競技は少し不安」「一人で黙々と続けるより、誰かと笑いながら楽しみたい」。50代になって、そんなふうに感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そうした方の選択肢の一つが「ニュースポーツ」です。ボッチャやモルックのように、自治体の体験会や用具の貸出を通じて触れられる種目もあり、60代から始める方もいらっしゃいます。

この記事では、ニュースポーツとは何かを整理したうえで、50代・60代から始めやすい8種目の特徴、地域で始めるための4つの入口、始める前に確かめたい安全のことを紹介します。種目ごとのルールは、各競技団体・自治体・公的機関の公式サイトで確認した内容にもとづいています。なお、特定の種目の健康効果をお約束するものではなく、人気の順位もつけていません。

ニュースポーツとは?決まった定義や種目数はある?

ニュースポーツとは、比較的新しく考案・紹介されたスポーツをまとめて呼ぶ言葉です。ただし、法律などで決められた統一の定義は、この記事の確認範囲では見当たりませんでした。自治体の紹介ページを見ると、説明のしかたにも少しずつ違いがあります。

自治体による説明の違い

ここでは、ニュースポーツを紹介している3つの自治体の説明を並べてみます。

  • 越前市:「ニュースポーツとは、主に20世紀後半以降に新しく考案・紹介されたスポーツ群を指します。」
  • 柏崎市:「ニュースポーツは、子どもから高齢者の方まで年齢や体力に関わらず、誰でも簡単に楽しめるように開発されたスポーツの総称です。」
  • 茅ヶ崎市:「新しい素材や技術の向上により生まれたもの」「世界各地の伝統的民族スポーツとして親しまれていたものが加えられたもの」「既存のスポーツを年齢、体力、能力や環境などに応じてルールを改変したもの」の3つを含むと説明

越前市は「いつ生まれたか」、柏崎市は「誰のために作られたか」、茅ヶ崎市は「どのように生まれたか」に重きを置いた説明になっています。この記事では、茅ヶ崎市の3つめにあたる「年齢や体力に応じて楽しめるよう工夫された種目」を中心に取り上げます。

紹介される種目の数は自治体ごとに異なる

「ニュースポーツは何種類あるのか」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。この記事で確認した範囲では、全国共通の種目数を示した資料は見当たらず、紹介される種目は自治体ごとに異なっていました。

たとえば、堺市の紹介ページでは21の種目が、柏崎市の紹介ページでは10の種目が取り上げられています(いずれも2026年9月30日確認)。お住まいの地域で体験できる種目は、市区町村のスポーツ担当窓口や公式サイトで確かめられます。

50代・60代の方がニュースポーツに目を向ける背景

ニュースポーツに関心を持つきっかけは、人それぞれです。ここでは、50代・60代の方が置かれやすい状況を3つ挙げ、この記事がどのような視点で種目を整理するのかをお伝えします。

一つは、「久しぶりに体を動かしたいけれど、どの程度の運動なら続けられるのか分からない」という迷いです。学生時代に部活動をしていた方でも、しばらく運動から離れていると、いきなり本格的な競技に戻ることにはためらいを感じる場合があります。

二つめは、勝ち負けよりも、誰かと一緒に笑い合える時間がほしいという気持ちです。家事や仕事、親の介護などで自分の時間を後回しにしてきた方にとって、気軽に集まれる場は、それだけで出かける理由になることもあります。

三つめは、子どもの独立や退職の前後に、地域で新しい知り合いをつくるきっかけを探しているという事情です。退職を機に、地域の体験会に足を運んでみる60代の方もいらっしゃいます。

柏崎市が「年齢や体力に関わらず、誰でも簡単に楽しめるように開発された」と説明しているように、ニュースポーツにはルールや道具が工夫されている種目があります。この記事では、体力や年齢そのものよりも、「どこで・誰と・どんな動きで楽しむか」に目を向けて、種目を整理していきます。

50代・60代から始めやすいニュースポーツ8種目

ここでは、次の3つの基準で8種目を選びました。①全国団体や公的機関の公式サイトでルールを確認できること、②自治体の紹介ページや体験会で扱われている例があること、③屋外・室内・コートという場所の違いが分かることです。

全国的な実施者数の順位を示す公的な資料は、この記事の確認範囲では見当たらなかったため、順位はつけていません。各種目は、どんなスポーツか・人数・主な動作を中心に紹介し、体への効果には触れていません。体調に不安のある方は、始める前に医師にご相談ください。

屋外の広場で楽しむ種目

公園やグラウンドなど、屋外の広い場所で楽しむ3種目です。

①モルック

モルックは、木の棒(モルック)を投げて、数字の書かれた木のピン(スキットル)を倒し、得点を重ねていくスポーツです。一般社団法人日本モルック協会によると、フィンランドのカレリア地方の伝統的なゲーム「キイッカ(kyykkä)」をもとに、1996年に開発されました。

道具は、モルック1本とスキットル12本です。協会の説明では、投げる位置から3〜4m離れたところにスキットルを並べ、モルックは下手投げで投げるのが基本とされています。2チーム以上で順番に投げて対戦します。

得点のルールは次のとおりです(日本モルック協会の説明にもとづく)。

  • スキットルが1本だけ倒れたときは、そのスキットルに書かれた数字が得点になる
  • 複数本が倒れたときは、倒れた本数が得点になる
  • 先に50点ちょうどになった側が勝ちとなる
  • 50点を超えた場合は25点に戻り、ゲームは続く
  • 3回続けてスキットルを倒せなかった場合は失格となる

50点ちょうどを目指すため、残りの点数に合わせて、どのスキットルを狙うかを考える場面もあります。協会は「とても簡単なルールで老若男女問わず楽しめます」と説明しています。屋外で行うのが基本ですが、上越市の紹介ページでは室内用のモルックも取り上げられています。

②グラウンド・ゴルフ

グラウンド・ゴルフは、クラブでボールを打ち、ホールポストと呼ばれる目標に入れるまでの打数を競うスポーツです。公益社団法人日本グラウンド・ゴルフ協会によると、昭和57年(1982年)に鳥取県東伯郡泊村で考案されました。泊村の生涯スポーツ活動推進事業の一環として、泊村教育委員会が中心になって考えられた、日本生まれの種目です。

協会のルールでは、クラブ・ボール・ホールポスト・スタートマットは定められたものを使うこととされています。標準コースは、50m・30m・25m・15mが各2ホールの合計8ホールで構成されます。

スタートマットから打ち始め、ボールがホールポスト内に止まった状態(「トマリ」)までの打数を数えます。1打目でトマリになった場合(ホールインワン)は、実打数から3打を差し引いて計算します。打つ動作に加えて、ホールの間をコースに沿って歩いて移動する種目です。

協会は、グラウンド・ゴルフを「高度な技術を必要とせず」「ルールもごく簡単なことから、初心者でもすぐに取り組めます」と説明しています。

③ペタンク

ペタンクは、金属のボールを投げて、目標となる小さな球(ビュット)にどれだけ近づけられるかを競うスポーツです。千葉県の紹介ページでは、1910年に南フランスの港町ラ・シオタで生まれたと言われているスポーツとして紹介されています。

千葉県の説明によると、公認球は鉄やステンレスなどの金属製で、重さは650g〜800g、直径は7.05cm〜8cmです。ビュットは直径3cm程度の木製(樹脂製もある)の球で、ボールはアンダースロー(下から投げる投げ方)で投げます。合計13点を先に取ったチームが勝ちとなります。

柏崎市は「2チームで互いに鉄球を投げ合い」と紹介しており、チームで対戦するのが基本です。なお、堺市の紹介ページによると、室内用にはゴム球を使うものもあります。

体育館や室内で楽しむ種目

天候に左右されにくい体育館や公民館のホールなどで楽しむ3種目です。

④ボッチャ

ボッチャは、白い目標球(ジャックボール)に、赤と青のボールをどれだけ近づけられるかを競うスポーツです。一般社団法人日本ボッチャ協会によると、ボッチャはヨーロッパで生まれたスポーツです。重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案され、パラリンピックの正式種目になっています。

使うボールは、赤6球・青6球・白1球の計13球です。赤・青に分かれ、それぞれ6球ずつを投げたり、転がしたり、ほかのボールに当てたりしながら、ジャックボールとの近さを競います。

協会は、ボッチャを「年齢、性別、障がいのあるなしにかかわらず、すべての人が一緒に競い合えるスポーツ」と説明しています。ボールを投げることが難しい場合でも、ランプ(勾配具)を使い、自分の意思をランプオペレーターに伝えることができれば参加できるとされています。

⑤カローリング

カローリングは、氷の上で行うカーリングを、床の上で楽しめるようにしたスポーツです。公益財団法人山梨県スポーツ協会は、「氷上で行うカーリングをフロアで手軽に出来るように考えられた、全く新しいスポーツである。」と紹介しています。

同協会の説明によると、使う道具は「ジェットローラー」6個と「ポイントゾーン」です。ジェットローラーは裏側にベアリング入りのホイル(車輪)がついた道具で、ポイントゾーンは赤・黄・青の3色の円が印刷された94cm四方のシートです。3人対3人で行い、1人対1人でも楽しめます。先攻・後攻の順に交互に、スローラインからポイントゾーンを狙って投球します。

堺市の紹介ページでも「車輪がついた円盤を転がして、止まったエリアの得点を競います」と説明されています。

⑥キンボールスポーツ

キンボールスポーツは、直径122cm、重さ約1kgの大きなボールを使うチームスポーツです。堺市の紹介ページでは、「1チーム4人の3チームでプレーします」と説明されています。

山梨県スポーツ協会の説明によると、ピンク・グレー・ブラックに色分けされた3チームが、ヒット(サーブ)とレシーブを繰り返します。サーブの前には、「オムニキン」という言葉とレシーブするチームの色を言うルールがあります。

ボールを受けるために、コートの中を移動する場面もある種目です。チームで協力して動く場面があることを知ったうえで選ぶとよいでしょう。

ネットをはさんで打ち合う種目

ネットをはさんで、ボールを打ち合う2種目です。テニスやバレーボールに近い形で楽しめます。

⑦ピックルボール

ピックルボールは、パドルと呼ばれる板状のラケットで、プラスチック製の穴あきボールを打ち合うスポーツです。一般財団法人ピックルボール日本連盟(PICKLEBALL JAPAN)によると、1965年にアメリカ・ワシントン州ベインブリッジ島で考案されました。考案したのは、ジョエル・プリチャード氏とビル・ベル氏です。

バドミントンコートと同じ広さのコートで行い、ダブルスとシングルスがあります。同連盟の公式ルールから、基本となる点を挙げます。

  • サーブはアンダーハンドで行う
  • サーブを受ける側は、サーブのボールを1回バウンドさせてから返球する。公式ルールでは、1球目(サーブ)と2球目(リターン)がそれぞれ1回バウンドしたあとの3球目以降は、ノーバウンドで打てると説明されている
  • ネットをはさんで両側7フィート(2m13cm)以内のエリアは「ノンボレーゾーン(キッチン)」と呼ばれ、このエリア内からのボレー(ボールをノーバウンドで打つこと)は禁止されている
  • 1ゲームは11点先取(15点、21点の場合もある)で、10対10になったときは2点差がつくまで続ける。得点できるのは、サーブ権がある側だけ

ラケットスポーツの経験がある方は、テニスや卓球に似た動きを思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。

⑧インディアカ

インディアカは、羽根のついたボールを手で打ち合う、バレーボールに近いスポーツです。公益財団法人日本レクリエーション協会は、「赤い大きな羽のついたボールをバレーボールのように味方同士でつないで得点をうばいあうスポーツ・レクリエーション」と紹介しています。同協会のページによると、インディアカは1970年代に、ドイツ発祥のニュースポーツとして日本に紹介されました。

堺市の紹介ページでは、「羽根の先にスポンジが付いたボール(インディアカ)を用いて、手で打ち合うバレーボールタイプのスポーツです。(4人1チーム)」と説明されています。ボールを手で打つため、ラケットなどの道具を扱うことに慣れていない方でも、動きをイメージしやすい種目です。

自分に合う種目を選ぶ3つのチェックポイント

8種目の特徴を見てきましたが、「結局どれを選べばよいのか」と迷う方もいらっしゃるでしょう。ここでは、場所・動作・人数と雰囲気の3つの観点から、自分に合う種目を考える手がかりを整理します。自分が何を楽しみたいのかを振り返りたい方は、50代からの趣味探しのための「自分の棚卸し」もあわせてご覧ください。

種目主な場所人数の目安主な動作主な道具
①モルック屋外(室内用もある)2チーム以上木の棒を下手で投げるモルック、スキットル12本
②グラウンド・ゴルフ屋外1人ずつ打数を数えるクラブで打つ、コースを歩くクラブ、ボール、ホールポスト、スタートマット
③ペタンク屋外(室内用もある)2チームで対戦金属球を下から投げるボール(公認球650g〜800g)、ビュット
④ボッチャ室内赤・青に分かれて対戦ボールを投げる・転がすボール13球
⑤カローリング室内3人対3人(1人対1人も可)車輪つきの円盤を転がすジェットローラー6個、ポイントゾーン
⑥キンボールスポーツ室内4人1組の3チーム大きなボールを打つ・受けるボール(直径122cm)
⑦ピックルボールコートシングルス・ダブルスパドルで打ち合うパドル、穴あきボール、ネット
⑧インディアカコート4人1チーム羽根つきボールを手で打つインディアカ(ボール)、ネット

※人数・道具は、各種目の説明で引用した団体・自治体の記載にもとづいています。大会や体験会によって、人数や使う道具が変わる場合があります。

場所で選ぶ

屋外の種目は、公園や広場で風を感じながら楽しめる一方、天候や季節の影響を受けます。夏場は暑さへの備えが欠かせません(後述の「屋外の種目は暑さにも気を配る」を参照)。

室内の種目は、天候に左右されにくいのが特徴です。ただし、体育館や公民館などの会場を確保する必要があるため、自治体の体験会やサークルに参加する形で始めるほうが取り組みやすい場合もあります。

動作で選ぶ

表の「主な動作」は、「投げる」「転がす」「打つ」「受ける」「コースを歩く」に分けられます。いまの自分が無理なくできそうな動きかどうかを考えてみてください。

膝や腰、肩などに気になるところがある方は、医師に相談したうえで、ボールを受けに動いたり打ち合ったりする種目よりも、その場で投げる・転がす種目から様子を見るのも一つの方法です。ゆっくり体を動かす別の選択肢として、ヨガを取り入れている方もいらっしゃいます。

人数と雰囲気で選ぶ

チームで声をかけ合いながら楽しみたい方には、モルックやキンボールスポーツのように、仲間と一緒にプレーする種目が合うかもしれません。自分の打数と向き合いたい方には、1人ずつ打数を数えるグラウンド・ゴルフという選択肢もあります。

一方で、「決まった時間に人と集まるのは難しい」「自分のペースで続けたい」という方には、一人で取り組めるスポーツのほうが続けやすい場合もあります。一人でできるスポーツについては、「よくある疑問」で関連記事を紹介しています。

ニュースポーツを始める4つの入口

ニュースポーツの道具は、最初から自分で買いそろえなくても、地域で試せる場合があります。ここでは、自治体の体験会・用具の貸出・スポーツ推進委員・総合型地域スポーツクラブという4つの入口を紹介します。参加の条件や申込方法は自治体ごとに異なるため、お住まいの地域の公式サイトや広報紙でご確認ください。

①自治体の体験会に参加する

自治体やスポーツ推進委員会が、ニュースポーツの体験会を開いている地域があります。初めての方でもルールの説明を受けながら試せるため、「どんな種目か、まず触れてみたい」という方の入口になります。

たとえば東京都清瀬市では、清瀬市スポーツ推進委員会が体験会の開催を案内していました。2026年9月12日に市民体育館で、モルックやボッチャなどを体験できるという内容です(参加費不要・申し込み不要)。沖縄県本部町では、本部町スポーツ推進委員会が2026年10月12日にニュースポーツ体験会を予定しています。参加費無料・申し込み不要で、「おじいちゃんおばあちゃん、親子、お孫さん、町民どなたでも大歓迎」と案内されています(いずれも2026年9月30日確認)。

体験会の予定は、市区町村の公式サイトのスポーツのページや、広報紙に掲載されることがあります。

②用具の貸出を利用する

ニュースポーツの用具を貸し出している自治体もあります。貸出の対象・料金・期間は自治体によって異なり、個人ではなく団体を対象にしている場合もあります。

たとえば福岡市城南区では、「福岡市内の地域で活動する団体」を対象に、モルック・ボッチャ・カローリング・室内用ペタンクなどを無料で貸し出しています。貸出期間は原則1週間以内で、必要最小限の期間とされています(2026年6月22日更新のページ・2026年9月30日確認)。兵庫県豊岡市では「物品借用願」を提出して借りる形をとっており、新潟県上越市では貸出場所の一覧を公開しています。

地域の集まりやサークルで試してみたい場合は、まずお住まいの自治体のスポーツ担当窓口に、貸出の有無と条件を問い合わせてみるとよいでしょう。

③スポーツ推進委員に相談する

スポーツ推進委員は、スポーツ基本法にもとづいて市町村の教育委員会などが委嘱する、地域のスポーツ推進の担い手です。同法第32条では、その役割を次のように定めています。

スポーツ推進委員は、当該市町村におけるスポーツの推進のため、教育委員会規則(特定地方公共団体にあっては、地方公共団体の規則)の定めるところにより、スポーツの推進のための事業の実施に係る連絡調整並びに住民に対するスポーツの実技の指導その他スポーツに関する指導及び助言を行うものとする。

(スポーツ基本法 第32条第2項。2026年9月30日確認)

たとえば福井県越前市では、要望に応じて、スポーツ推進委員や市の職員が出張して指導する仕組みを案内しています。ルールが分からない場合や、初めて体験する場合などを想定したもので、会場・用具・参加者の募集は主催者側で用意することとされています。身近な集まりで試してみたいときは、自治体のスポーツ担当窓口を通じて相談してみる方法があります。

④総合型地域スポーツクラブを探す

総合型地域スポーツクラブは、地域の人が運営し、複数の種目を楽しめるクラブです。スポーツ庁は、その特徴を次のように説明しています。

子供から高齢者まで(多世代)、様々なスポーツを愛好する人々が(多種目)、初心者からトップレベルまで、それぞれの志向・レベルに合わせて参加できる(多志向)

(スポーツ庁「総合型地域スポーツクラブ」。2026年9月30日確認)

クラブによって扱う種目や会費は異なります。ニュースポーツを扱っているクラブがあるかどうかは、お住まいの市区町村のスポーツ担当窓口や、都道府県の公式サイトで調べられます。

続けるうえでつまずきやすい場面と工夫

新しいことを始めると、思いがけないところでつまずくこともあります。ここでは、ニュースポーツを始めてから「続かないかもしれない」と感じるきっかけになりうる場面と、その工夫を3つ紹介します。

道具を先にそろえてしまう

始める前に道具一式を購入したものの、実際にやってみると思っていた種目と違った、ということもありえます。とくにペタンクの公認球やピックルボールのパドルなど、種目専用の道具は、ほかの用途に使いにくいものです。

まずは体験会や用具の貸出で何度か試してから、自分で道具を持つかどうかを考える順番にすると、迷いが少なくなります。

初めての集まりで気後れする

サークルによっては、大会への出場を目指して練習しているところもあります。初めて参加した場がそうした雰囲気だと、「自分には場違いだったかもしれない」と感じてしまうこともあるでしょう。

初めのうちは、初心者を対象にした体験会や、スポーツ推進委員が関わる地域の催しから入る方法があります。いくつかの集まりに顔を出して、雰囲気が合うところを探すのも一つの考え方です。

勝ち負けや得点が気になってしまう

この記事で紹介した種目の中にも、得点や打数を競うものがあります。そのため、勝ち負けや自分の成績が気になってしまう方もいらっしゃいます。

チームで対戦する種目なら、得点を仲間と分かち合う楽しみ方もあります。また、ルールを覚えるまでは得点を記録せずに練習だけを楽しむなど、集まりの中で楽しみ方を相談してみるのもよいでしょう。

始める前に確かめたい安全のこと

ニュースポーツは、ルールや道具が工夫されている種目が中心ですが、体を動かすことに変わりはありません。この記事は特定の種目の健康効果をお約束するものではなく、体調に合わせて無理のない範囲で楽しむことを前提にしています。ここでは、始める前に確かめておきたい4つのことを紹介します。

体調と相談しながら、できることから

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、全体の方向性として、個人差を踏まえて強度や量を調整し、できるものから取り組むことが示されています。いきなり長い時間取り組むのではなく、体調に合わせて少しずつ慣れていくことが大切です。

持病のある方、薬を服用している方、しばらく運動から離れていた方は、始める前に医師にご相談ください。プレー中に痛みや違和感を感じた場合は、無理をせず中断してください。膝まわりの筋力づくりから始めたい方は、50代女性が太ももの筋肉を鍛える筋トレ|膝を痛めないための始め方も参考になります。

屋外の種目は暑さにも気を配る

モルックやグラウンド・ゴルフ、ペタンクなどの屋外の種目は、季節によって暑さへの備えが必要です。出かける前に、環境省の「熱中症予防情報サイト」で、暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートの発表状況を確かめておくと安心です。

帽子や飲み物を用意し、こまめに休憩をとりながら楽しんでください。暑さへの注意の目安には、高齢者向けなど対象を限って示されているものもあるため、同サイトで対象を確かめたうえで参考にしてください。

道具の扱いに気をつける

ペタンクの公認球は、千葉県の説明によると重さ650g〜800gの金属製です。モルックも、木でできた棒を投げる種目です。この記事で紹介する基本的な注意として、次の点を心がけてください。

  • 投げる方向に人がいないことを確かめてから投げる
  • 順番を待つ間は、投げる人の前に出ない
  • 金属球を足元に落とさないよう気をつける

体験会などでは、主催者の説明にしたがって楽しみましょう。

すぐに119番に連絡したい症状

体を動かしている最中や前後に、いつもと違う強い症状が出ることもありえます。総務省消防庁は「救急車を上手に使いましょう〜救急車 必要なのはどんなとき?〜」(令和7年10月発行)という資料を公開しています。この資料では、おとなについて、次のような症状があるときはすぐに119番に連絡するよう案内しています。以下は、その一部を抜粋したものです。

  • 胸や背中:「突然の激痛」「急な息切れ、呼吸困難」「胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2〜3分続く」
  • 頭:「突然の激しい頭痛」「支えなしで立てないぐらい急にふらつく」
  • 顔:「顔半分が動きにくい、またはしびれる」「ろれつがまわりにくく、うまく話せない」
  • 手・足:「突然のしびれ」「突然、片方の腕や足に力が入らなくなる」
  • 意識の障害:「意識がない(返事がない)またはおかしい(もうろうとしている)」

このほかの症状は、同資料の全文でご確認ください。救急車を呼ぶかどうか判断に迷うときは、お住まいの地域の救急相談窓口(♯7119など)に相談できる場合があります。

よくある疑問

ニュースポーツを始めようとする方が気になりそうな点を、Q&A形式でまとめました。種目の特徴や始め方の詳細は、それぞれのセクションもあわせてご覧ください。

Q:ボッチャはニュースポーツですか?

ボッチャは、日本ボッチャ協会の説明にあるとおり、パラリンピックの正式種目です。一方で、越前市・柏崎市・豊岡市などの自治体では、ニュースポーツの一つとして紹介されています。競技として国際大会がある種目でありながら、地域の体験会で気軽に触れられる種目でもあります。

Q:日本で生まれたニュースポーツはありますか?

この記事で紹介した8種目の中では、グラウンド・ゴルフが日本で生まれた種目です。日本グラウンド・ゴルフ協会によると、昭和57年(1982年)に鳥取県東伯郡泊村で考案されました。

Q:60代・70代から始めても大丈夫でしょうか?

体力や体調には個人差があるため、一概には言えません。持病のある方や、しばらく運動から離れていた方は、始める前に医師にご相談ください。

そのうえで、体験会などでルールの説明を受けながら試してみると、自分に合うかどうかを確かめやすくなります。60代・70代になってからニュースポーツを始める方もいらっしゃいます。自分のペースで、できることから取り組んでみてください。

Q:一人でできるスポーツを探しています。

この記事で紹介したニュースポーツは、チームや複数人で楽しむものが中心です。一人で自分のペースで続けたい方は、ウォーキングやヨガなどを紹介した50代女性が趣味で始める「1人でできるスポーツ」もご覧ください。

Q:孫と一緒に楽しめますか?

柏崎市は、ニュースポーツを「子どもから高齢者の方まで年齢や体力に関わらず、誰でも簡単に楽しめるように開発されたスポーツの総称」と説明しています。本部町の体験会のように、「おじいちゃんおばあちゃん、親子、お孫さん」まで参加を呼びかけている催しもあります。お孫さんと一緒に参加できるかどうかは、各体験会の案内でご確認ください。

まとめ

ニュースポーツとは、比較的新しく考案・紹介されたスポーツの総称で、年齢や体力に応じて楽しめるよう工夫された種目も含まれます。この記事では、50代・60代から始めやすい8種目と、地域で始めるための入口を紹介しました。

主なポイントは次のとおりです。

  • この記事の確認範囲では、ニュースポーツの統一の定義や全国共通の種目数は見当たらず、紹介される種目は自治体ごとに異なる
  • 8種目は「場所・動作・人数と雰囲気」の3つの観点で比べると、自分に合うものを考えやすい
  • 道具を買う前に、体験会・用具の貸出・スポーツ推進委員・総合型地域スポーツクラブで試せる場合がある
  • 体調に合わせて無理のない範囲で楽しみ、屋外の種目では暑さに気を配る

気になる種目が見つかったら、まずはお住まいの地域で体験会が開かれていないか、調べてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。ニュースポーツ以外の趣味も含めて考えたい方は、女性の50代からの趣味の探し方もご覧ください。


※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、医学的な効果効能を保証するものではありません。
体調に不安のある方や持病をお持ちの方は、医師にご相談の上、無理のない範囲でお楽しみください。
痛みや違和感を感じた場合は、無理せず中断してください。

参考にした資料(いずれも2026年9月30日確認)

50代からの趣味と仕事