階段を上るときや椅子から立ち上がるときに、以前より太ももの力を意識するようになったと感じる方もいらっしゃいます。旅行先での散策やウォーキングなど、歩くことを楽しむ趣味を長く続けたいと考えて、脚の筋肉を鍛えておきたいと思う方もいらっしゃるでしょう。

一方で、「膝を痛めないか心配」「何から始めればよいか分からない」という不安もあるかもしれません。

この記事では、50代・60代の女性が自宅で太ももの筋肉を鍛える筋トレ(筋力トレーニング)を始めるときに、膝を痛めないように確認したいことと、寝ながら・座って・立ってできる7つの種目を紹介します。内容は、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」と、公益社団法人日本整形外科学会のロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモONLINE」の情報をもとにまとめています。

なお、この記事は見た目や体重の変化、膝の痛みの治療を目的としたものではありません。すでに膝に痛みがある方や持病のある方は、始める前に医師にご相談ください。

50代・60代で「太ももを鍛えたい」と感じるのはなぜか

太ももを鍛えたいと思うきっかけは、人によってさまざまです。このセクションでは、太ももの筋肉が毎日のどんな場面で使われているかを確認します。あわせて、「50代から筋トレを始めて大丈夫?」という不安についても、公的機関の資料をもとに考えます。

立つ・座る・階段…太ももが使われる場面

太ももの筋肉は、大きく3つのまとまりに分けて説明されます。どれも、立つ・座る・歩くといった日常の動作に関わっています。

  • 大腿四頭筋(だいたいしとうきん):太ももの前側にあり、膝を伸ばすときに働きます。椅子から立ち上がる、階段を上るといった動作に関わります
  • ハムストリングス:太ももの裏側にあり、膝を曲げるときや、脚を後ろに引くときに働きます
  • 内転筋(ないてんきん):太ももの内側にあり、脚を閉じる動作に関わります

太ももの筋肉は、特別な運動のときだけでなく、毎日の暮らしの中で使われています。「立ち上がるときに手をつくようになった」「階段で脚が重く感じる」といった変化をきっかけに、太ももを意識し始める方もいらっしゃいます。

趣味を続けるための体づくりという考え方

旅行先での散策や、神社やお寺の石段、季節ごとのウォーキングなど、歩くことが楽しみの一部になっている趣味もあります。子育てが一段落して出かける機会をつくりたい方や、仕事を続けながら週末の散歩を楽しみにしている方など、きっかけはそれぞれです。神社やお寺を訪ねる楽しみ方は、「女性の趣味にぴったり!神社巡りの魅力と楽しみ方」で紹介しています。

こうした趣味を無理なく楽しみ続けるために、日ごろから脚を動かす時間をつくっておく、という考え方があります。筋トレそのものを目的にするのではなく、好きなことを楽しむための準備として取り入れる方法です。

一人で体を動かす趣味には、ウォーキングや水泳、ヨガなどもあります。筋トレとあわせて、ほかの運動も楽しみたい方は、「50代女性が趣味で始める「1人でできるスポーツ」」も参考にしてみてください。

「50代から筋トレを始めて大丈夫?」という不安

「年齢を重ねてから筋トレを始めても大丈夫だろうか」と不安に感じる方もいらっしゃいます。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人と高齢者のどちらに対しても、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています(次のセクションで詳しく紹介します)。また、同ガイドの参考情報「筋力トレーニングについて」には、「筋肉は年齢に関係なく鍛えることができます」と書かれています。

ただし、どのくらいの変化を感じるかには個人差があり、この記事で結果をお約束することはできません。この記事では、年齢そのものよりも、いまの体の状態に合った始め方のほうに目を向けます。

公的資料が示す筋トレの目安

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者ともに、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。このセクションでは、ガイドが示している内容を対象ごとに分けて紹介し、始めるときに気をつけたい点もあわせて確認します。

成人と高齢者、それぞれの推奨

ガイドでは、推奨する内容が「成人」と「高齢者」に分けて示されています。筋力トレーニングに関係する部分を、対象ごとに表にまとめました。

対象筋力トレーニングについての推奨あわせて示されている運動の推奨
成人筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨する(週4メッツ・時の運動に含めてもよい)(筋力トレーニングについての推奨のみ抜粋)
高齢者筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨する(多要素な運動に含めてもよい)筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上行うことを推奨する

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」p.9(成人版)・p.13(高齢者版)

この表は、筋力トレーニングに関係する部分だけを抜き出したものです。ガイドには、このほかに歩行などの身体活動の量についての推奨も示されています。

高齢者版では、多要素な運動には「体操やダンス、ラジオ体操、ヨガなどの多様な動きを伴う運動が含まれます」と説明されています(p.13)。また、筋力トレーニングには「筋トレマシンやダンベルなどを使用するウエイトトレーニングだけでなく、自重で行う腕立て伏せやスクワットなどの運動も含まれる」とされています(p.7)。器具がなくても、自宅で取り組める方法があるということです。

年齢で区切らず、個人の状況に応じて

「50代は成人、60代は高齢者の欄を見ればよいのだろうか」と迷う方もいらっしゃるかもしれません。ガイドでは、この点について次のように説明しています。

生活習慣、生活様式、環境要因等の影響により、身体の状況等の個人差が大きいことから、「高齢者」「成人」「こども」について特定の年齢で区切ることは適当でなく、個人の状況に応じて取組を行うことが重要であると考えられる。

(厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」p.7)

そのため、50代の方も60代の方も、表の両方を見比べて、ご自身の体の状況に近いほうを参考にする、という考え方ができます。

また、ガイドには「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」ことも示されています。週2〜3日という数字についても、「あくまでも健康づくりを目指した筋トレの方向性を示す1つの目安として設定しています」と説明されています(p.17)。最初から達成しなければならないものではなく、できるところから近づけていく目安として受け止めることができます。

始めるときに気をつけたいこと

ガイドの参考情報「筋力トレーニングについて」では、筋トレの進め方について、次のような点が示されています(p.17・p.18)。

  • 日常生活レベル以上の負荷で筋トレを行い、少しずつ負荷を高めていく(漸進性過負荷の原則)
  • 個人の特性や能力に合わせて実施する(個別性の原則)
  • 血圧の急激な上昇を抑えるために、息をこらえないように注意する

「少しずつ」「自分に合わせて」「息を止めない」という考え方は、この記事で紹介する種目すべてに共通します。

なお、同じ参考情報では、「特定の部位を重点的に鍛えるのではなく、胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく行いましょう」とされています(p.17)。この記事では太ももの種目に絞って紹介していますが、週2〜3日という目安は、全身の筋トレについてのものです。太ももの種目は、全身の筋トレの一部として取り入れる形になります。

膝を痛めないために、始める前に確認したいこと

太ももの筋トレでは、膝を曲げたり伸ばしたりする動きが多くなります。膝を痛めないように取り組むために、始める前に確認しておきたいことを3つにまとめました。医師に相談しておきたい場合、膝を動かす範囲、中止したほうがよいサインの順に見ていきます。

先に医師に相談しておきたい場合

次のような場合は、筋トレを始める前に、かかりつけ医や整形外科などの医師に相談しておくと安心です。

  • いま膝に痛みや腫れ、熱っぽさがある
  • 変形性膝関節症など、膝や腰の病気の診断を受けている、または治療中である
  • 高血圧や心臓の病気などの持病がある
  • 骨粗しょう症の診断を受けている
  • 膝・股関節・腰の手術を受けたことがある
  • 服用中の薬があり、運動してよいか判断できない

厚生労働省のガイドでは、高血圧や変形性膝関節症などの慢性疾患を有する人の身体活動について、運動を勧める立場の人に向けて、「身体活動によって悪化する可能性のある合併症・運動器の痛みや変形がある場合があるため、事前に医師等の専門家に相談する」と示されています(p.23)。

また、日本整形外科学会の解説では、変形性膝関節症の初期の症状として、「立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみに痛み」が出ることが挙げられています。膝の痛みの原因は一人ひとり異なるため、立ち上がりや歩き始めに膝が痛むことが続いている場合は、自己判断で筋トレを始めず、整形外科で相談してみてください。

動かす範囲は「痛みが出ない範囲」で

膝を曲げる深さや回数は、膝に痛みが出ない範囲にとどめます。太ももの筋肉が疲れてくる感覚と、膝の関節が痛むことは、分けて考えるようにしましょう。膝に痛みが出る動きは、続けないようにします。

ロコモONLINEでは、スクワットを行うときのポイントとして、次の4つが示されています。

  • 動作中は息を止めないようにします。
  • 膝の曲がりは90度を大きく超えないようにします。
  • 支えが必要な人は十分注意して、机に手をついて行います。
  • 楽にできる人は回数やセット数を増やして行っても構いません。

この「90度」は、同サイトがスクワットについて示しているものです。ほかの種目にそのまま当てはめるのではなく、どの種目でも「膝に痛みが出ない範囲」を優先してください。

中止したほうがよいサイン

運動中や運動後に次のような状態になった場合は、筋トレを中止してください。様子を見ても治まらないときは、医療機関を受診しましょう。

  • 膝に痛みが出た、または痛みが強くなった
  • 膝が腫れている、熱を持っている
  • 痛みが翌日以降も続いている
  • 膝に力が入らない、ぐらつく感じがある

胸の痛みや強い息苦しさ、めまいなど、いつもと違う体調の変化があるときは、すぐに運動を中止してください。総務省消防庁は、胸や背中の「突然の激痛」、「急な息切れ、呼吸困難」、「胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2~3分続く」、「意識がない(返事がない)またはおかしい(もうろうとしている)」などを、ためらわず救急車を呼んでほしい症状として挙げています。こうした症状があるときは、119番で救急車を呼んでください。判断に迷うときは、お住まいの地域の救急相談窓口(♯7119など)に相談する方法もあります。

痛みを我慢して回数をこなすことは、この記事ではおすすめしていません。

自宅でできる太もも筋トレ|寝ながら・座って・立っての3段階

ここからは、自宅でできる太ももの筋トレを、姿勢ごとに3つの段階に分けて紹介します。段階は「上級者向けかどうか」を表すものではなく、姿勢の違いです。60代の方や、しばらく運動から離れていた方は、寝ながら・座ってできる種目から試してみる方法もあります。膝や体の状態に合わせて、どこから始めるかを選んでください。

なお、①・⑥・⑦は、日本整形外科学会の資料で紹介されている方法です。②〜⑤は、同じ太ももの部位を、寝た姿勢や座った姿勢で動かす基本的な方法として、この記事で紹介しています。

寝ながらできる筋トレ

床にマットやバスタオルを敷き、仰向けになって行う種目です。立って行う動きに不安がある方も試しやすい姿勢です。

① 仰向けで脚を上げる(太ももの前側)

ロコモONLINEの「膝や腰が気になる人に」のページでは、膝痛体操として「大腿四頭筋訓練」が紹介されています。手順は次のとおりです(1の姿勢は、同ページの図にもとづいて補っています)。

  1. 仰向けに寝て、上げない側の膝を立て、足の裏を床につけます
  2. 上げる側の太ももに力を入れて、膝をしっかり伸ばします
  3. 力を入れたまま、脚を10cmの高さまでゆっくり上げます
  4. そのまま5〜10秒間止め、ゆっくり下ろします
  5. 左右交互に行います

同じページでは、回数の目安を左右とも10回で1セット、1日3セットとしたうえで、「痛みが強い場合は、医療機関に相談して行いましょう」と呼びかけています。反動をつけず、息を止めずに行いましょう。

② 膝でクッションを挟む(太ももの内側)

  1. 仰向けに寝て、両膝を立てます
  2. 膝の間にクッションや丸めたバスタオルを挟みます
  3. 息を吐きながら、クッションを押しつぶすように内ももに力を入れ、数秒保ってからゆるめます

膝に違和感がある場合は、力を入れすぎないようにします。

③ お尻上げ(太ももの裏側とお尻)

  1. 仰向けに寝て両膝を立て、足を腰幅に開きます
  2. 息を吐きながらお尻をゆっくり持ち上げ、肩から膝までがおおよそ一直線になるあたりで止めます
  3. ゆっくりお尻を下ろします

太ももの裏側(ハムストリングス)とお尻を使う種目です。お尻を上げすぎて腰を反らさないようにし、腰に痛みがある場合は行わないでください。

座ってできる筋トレ

椅子に座ったまま行う種目です。テレビを見ながらや、家事や介護の合間などにも取り入れられます。キャスター付きの椅子は動いてしまうため避け、足の裏が床につく安定した椅子を使いましょう。

④ 椅子に座って片膝を伸ばす(太ももの前側)

  1. 椅子に深く腰かけ、背すじを伸ばします
  2. 片方の膝をゆっくり伸ばし、脚が床と平行に近くなるあたりで数秒保ちます
  3. ゆっくり下ろします

膝を伸ばしきるときに痛みがある場合は、伸ばす角度を浅くします。姿勢が不安定な場合は、座面の端を両手で軽くつかんで行います。

⑤ 座ったままクッションを挟む(太ももの内側)

  1. 椅子に座り、膝の間にクッションなどを挟みます
  2. 息を吐きながら内ももに力を入れて数秒保ち、ゆるめます

②と同じ動きを、座って行う方法です。

立って行う筋トレ(支えを使う)

立って行う種目は、椅子や机を支えにして行います。ここでは、日本整形外科学会が「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」として紹介しているスクワットと、スクワットができない場合の方法を紹介します。ロコモONLINEでは、「ご自身に合った安全な方法で、無理せず行いましょう」と呼びかけられています。

⑥ 椅子からの立ち座り

ロコトレでは、スクワットができない場合の方法として、「イスに腰かけ、机に手をついて立ち座りの動作を繰り返します」と紹介されています。机に手をつかずにできる場合は、手を机にかざして行う方法も示されています。

座るときは、腰を勢いよく落とさず、ゆっくり座るようにしましょう。

⑦ 机に手をついたスクワット

ロコトレのスクワットは、次の手順で行います。

  1. 足を肩幅に広げて立ちます
  2. お尻を後ろに引くように、2〜3秒間かけてゆっくりと膝を曲げ、ゆっくり元に戻ります

回数の目安は、5〜6回で1セット、1日3セットとされています。支えが必要な場合は机に手をつき、膝の曲がりは90度を大きく超えないようにします。

回数と頻度の考え方

回数と頻度は、資料によって示し方が異なります。ここでは、それぞれの資料の示し方をそのまま紹介します。

  • 厚生労働省のガイド:成人・高齢者ともに、筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています(全身の筋トレについての目安です)
  • ロコモONLINEの膝痛体操(①):左右とも10回で1セット、1日3セットとされています
  • ロコモONLINEのロコトレ(⑦):スクワットは5〜6回で1セット、1日3セットとされ、片脚立ちとあわせて「毎日続けましょう」と呼びかけられています

②〜⑥の種目には、一律の回数を設定していません。両脚で行う種目は数回から、片脚ずつ行う④は左右それぞれ数回から試し、膝に痛みが出ず、楽にできるようになったら少しずつ回数を増やしていく形にしてみてください。1回にすべての種目を行う必要はなく、2〜3種目を選んで行う方法もあります。

ここに挙げた数字は、それぞれの資料で示されている目安であり、すべてを組み合わせて達成する必要はありません。医療機関で個別の運動指導を受けている場合は、その指示に従ってください。

続けるうえで気をつけたい場面と工夫

筋トレは、始めることと同じくらい、無理なく続けていくことが大切です。ここでは、続けていくうえで気をつけたい場面と、その工夫を4つ紹介します。

最初から回数を増やしすぎない

始めたばかりのころは、張り切って回数を増やしたくなることもあります。翌日に疲れが残ると、次の日に取り組む気持ちが起きにくくなる場合もあります。「もう少しできそう」と感じるところで終えておくのも、一つの方法です。

痛みを我慢して続けない

「痛いほうが鍛えられている」とは考えないようにしましょう。膝や腰に痛みが出たときは、その日はやめて、「中止したほうがよいサイン」を確認してください。

「毎日やらなければ」と思い込まない

ガイドの参考情報では、「しっかりと筋肉を休める時間(休息日)をとることも同じく重要です」とされ、週2〜3日という推奨値は休息日を念頭に置いて設定されたと説明されています(p.17)。休む日をあらかじめ決めておけば、休みの日を「できなかった日」と考えずに済みます。

生活の時間に組み込む

テレビ番組の合間や歯みがきのあとなど、決まった時間に組み込むのも一つの方法です。まとまった時間を取れない日は、1種目だけでも構いません。時間の使い方について考えたい方は、「趣味の時間が取れないストレスとの向き合い方」も参考にしてみてください。

今日から始められる小さな一歩

何から始めるか迷ったときのために、1週間の組み立て方の例を紹介します。あくまで一例ですので、体調や予定に合わせて自由に調整してください。

曜日内容の例
月曜寝ながらできる種目から2〜3種目
火曜休み(散歩など、好きな過ごし方で)
水曜休み
木曜座ってできる種目(④・⑤)から1〜2種目
金曜休み(ヨガなど、ほかの運動を楽しむ日にしても)
土曜寝ながら・座って・立っての種目から、体の状態に合わせて2〜3種目
日曜休み

この例では、筋トレを行う日を週3日にしています。慣れるまでは週2日から始めても構いません。表は太ももの種目に絞った例ですので、ガイドの考え方に沿って、腕や背中、お腹など、ほかの部位の筋トレもあわせて取り入れることを検討してみてください。

筋トレとは別の運動として、ヨガに関心のある方は、「ヨガの種類と選び方|50代・60代から始める方へ」で種類と選び方を紹介しています。

最初の一歩は、今日、仰向けで脚を上げる種目を左右数回だけ試してみることでも構いません。

よくあるご質問

太ももの筋トレについて、疑問に思われそうな点をまとめました。

Q: 60代から始めても大丈夫ですか?

60代から筋トレを始める方もいらっしゃいます。厚生労働省のガイドでは、高齢者版の推奨にも筋力トレーニングが含まれており、「特に身体機能が低下している高齢者については、安全に配慮し、転倒等に注意する」ともされています(p.13)。立って行う種目は、椅子や机を支えにして行いましょう。持病や膝の痛みがある方は、始める前に医師にご相談ください。

Q: 道具をそろえる必要はありますか?

この記事で紹介した7つの種目は、クッションやバスタオル、椅子、机など、家にあるもので行えます。「公的資料が示す筋トレの目安」で紹介したとおり、ガイドでも、自重で行う運動が筋力トレーニングに含まれると説明されています。

Q: 筋トレで太ももは太くなりますか?細くなりますか?

見た目の変化の感じ方には個人差があり、この記事で紹介している種目は、見た目の変化をお約束するものではありません。ガイドでも、推奨事項は「長期間にわたる健康の維持・増進を目的とした場合の目安です」と説明されています(p.18)。この記事では、見た目よりも、立つ・座る・歩くといった動作の中で太ももを使う時間をつくることに目を向けています。

Q: 筋トレのあとに太ももが痛いときは?

運動のあとに、太ももの筋肉が張ったように感じることもあります。その場合は無理に続けず、回数を減らしたり、日を空けたりして様子を見てください。膝の関節の痛みや腫れ、熱っぽさがある場合や、痛みが続く場合は、筋トレを中止して医療機関にご相談ください。

Q: 食事で気をつけることはありますか?

特定の食品を食べれば筋肉がつく、というものではありません。主食・主菜・副菜をそろえたふだんの食事を大切にすることになります。腎臓の病気などで食事の指導を受けている方は、医師や管理栄養士の指示に従ってください。

まとめ

この記事では、50代・60代の方が、膝を痛めないように太ももの筋トレを始める方法を紹介しました。

主なポイントは次のとおりです。

  • 厚生労働省のガイドでは、成人・高齢者ともに筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されている(全身の筋トレについての目安)
  • 膝に痛みがある方や持病のある方は、始める前に医師に相談する
  • 膝を曲げる深さや回数は、膝に痛みが出ない範囲にとどめる
  • 寝ながら・座って・立っての3段階から、体の状態に合わせて始める
  • 痛みや腫れが出たら中止し、続く場合は医療機関を受診する

50代だから、60代だからという理由だけで、筋トレを始められるかどうかが決まるわけではありません。好きな趣味をこれからも楽しむために、まずは寝ながらできる種目を一つ、試してみてはいかがでしょうか。

体を動かすこと以外の趣味も探してみたい方は、「女性の50代からの趣味の探し方」も参考にしてみてください。


※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、医学的な効果効能を保証するものではありません。
体調に不安のある方・持病をお持ちの方は、医師にご相談の上、無理のない範囲でお取り組みください。
痛みや違和感を感じた場合は、無理せず中断してください。

参考にした資料

50代からの趣味と仕事