体を動かしたい気持ちはあっても、人と予定を合わせるのは少し負担に感じることもあります。

そんなときに候補になるのが、一人でできるスポーツです。自分の都合のよい時間に、自分のペースで始められます。

50代女性が趣味として始めやすい一人でできるスポーツを12種目に絞り、比較表と種目ごとの説明で紹介します。

この記事では、健康への効果ではなく、場所・用意するもの・天候・始め方のほうに目を向けて比べます。

病気の予防や治療、リハビリを目的とした運動の方法は扱いません。

持病のある方や、運動から長く離れている方は、始める前にかかりつけの医師にご相談ください。

50代から一人でスポーツを始める前に知っておきたいこと

一人でできるスポーツは、誰かと予定を合わせなくてよい一方で、体調の変化に気づいてくれる人がそばにいない場合もあります。

このセクションでは、一人で始める良さと注意、50代・60代女性の運動の状況を示す公表データ、厚生労働省のガイドが示している考え方を整理します。

一人で始める良さと、一人ならではの注意

一人で始めると、時間・場所・ペースを自分で決められます。

仕事と家のことで予定が読みにくい方や、子どもが独立して自分の時間ができた方、親の介護で外出できる時間が限られている方など、生活の事情に合わせて組み立てやすい点が特徴です。

一方で、一人のときは、体調が急に変わったときにすぐ助けを求められない場合もあります。

行き先や帰る時間を家族などに伝えておく、携帯電話を持っていくといった備えは、どの種目にも共通します。安全面の詳しいことは、後半の「体調に気をつけて楽しむために」でまとめています。

データで見る50代・60代女性の運動の状況

スポーツ庁の調査では、週に1日以上運動・スポーツをする人の割合(スポーツ実施率)は、令和7年度(2025年度)で50代女性が45.1%、60代女性が53.8%でした。1週間あたりの運動・スポーツの実施時間の中央値は、50代女性が42.2分、60代女性が70.0分です。

同じ調査で、この1年間に実施した種目を見ると、女性ではウォーキングが59.3%でした。この記事で紹介する種目に近いものでは、体操(ラジオ体操・職場体操・美容体操・太極拳)が13.0%、エアロビクス・ヨガ・バレエ・ピラティスが10.0%です。

この調査は、インターネットの登録モニターを対象としたWEBアンケートで、18〜79歳の男女40,000件の回答をまとめたものです。

種目別の割合は女性全体の数字で、50代・60代だけの割合は、この記事で引用した図表からは分かりません。

(出典:スポーツ庁「令和7年度『スポーツの実施状況等に関する世論調査』の結果を公表します」の別紙(結果の概要)/2025年(令和7年)11月7日〜28日に調査・2026年3月11日公表・2026年10月12日確認)

厚生労働省のガイドが示している考え方

厚生労働省は、健康づくりに関わる専門家などに向けて「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」をまとめています。

このガイドは、全体の方向性として「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」「今よりも少しでも多く身体を動かす」を示しています。

推奨事項の一覧では、成人は1日60分以上(1日約8,000歩以上)、高齢者は1日40分以上(1日約6,000歩以上)の、歩行又はそれと同等以上の(3メッツ以上の強度の)身体活動が目安として挙げられています。

ただしガイドは、身体の状況などの個人差が大きいことから、「高齢者」「成人」を特定の年齢で区切ることは適当でなく、個人の状況に応じて取り組むことが重要だとしています。

60代の方は、どちらの目安に当たるかを年齢だけで決めずに考えることになります。

一般の方向けにまとめた「アクティブガイド2023」の成人版では、1日合計60分以上を目安に、例えば今より10分多く体を動かすこと(+10:プラス・テン)が呼びかけられています。

同じ資料には「+10から始めて、1日60分以上を目指そう」という見出しもあり、目安の数字に最初から届かなくても、今より少しずつ増やしていく考え方が示されています。

(出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の概要・アクティブガイド2023 成人版/2026年10月12日確認)

【比較表】一人でできるスポーツ12種目

ここでは、一人でできるスポーツを、屋外で楽しむ4種目、施設を利用する4種目、自宅や近所でも始められる4種目の、合わせて12種目に分けて比べます。

表は始めやすさを比べるための目安で、健康への効果の比較ではありません。

種目主な場所用意するもの(例)天候の影響一人で始める入口強度の調整
①ウォーキング道路・公園・河川敷など歩きやすい靴、季節に合った服装、飲み物受ける自分で歩き始められる歩く速さと時間で調整しやすい
②ジョギング道路・公園など走りやすい靴、動きやすい服装、飲み物受ける自分で始められる歩きと交互にするなど調整しやすい
③サイクリング道路・サイクリングロード自転車、ヘルメット、ライト受ける自分の自転車で始められる速さ・距離・坂道の有無で変わる
④ハイキング整備された散策路・自然歩道・低山歩きやすい靴、雨具、地図、飲み物、携帯電話受ける散策路から。山は複数人での登山が呼びかけられている距離と高低差で変わる
⑤水泳・水中ウォーキングプール(公共・民間)水着、水泳帽、ゴーグル、タオル屋内プールなら受けにくい施設の個人利用。初心者向けの教室がある施設も泳ぐか歩くか、時間で調整しやすい
⑥壁打ちテニス壁打ちができるコート・施設ラケット、ボール、運動靴屋外の壁なら受ける壁打ちができる場所を探すところから打つ強さと時間で調整しやすい
⑦ゴルフ練習場ゴルフ練習場クラブ(貸し出しがある練習場も)、運動靴打席に屋根がある練習場もある練習場の個人利用。レッスンがある練習場も打つ球の数と休憩で調整しやすい
⑧ボルダリング屋内のボルダリングジム動きやすい服装(専用シューズの貸し出しがあるジムも)受けにくい初回の説明を受けてから課題の難しさを選べる
⑨ヨガ自宅・スタジオ・公共施設の教室ヨガマット、動きやすい服装受けにくい動画や本、教室ポーズと時間で調整しやすい
⑩ピラティス自宅・スタジオマット(器具を使うスタジオもある)受けにくい動画や本、スタジオ動きの種類と回数で調整しやすい
⑪自宅での筋トレ・体操自宅特別な道具がなくても始められる(マットがあると便利)受けない動画や本、テレビやラジオの体操番組種目と回数で調整しやすい
⑫太極拳公園・公民館・自宅動きやすい服装、運動靴屋外なら受ける地域の教室や動画動きの大きさで調整しやすい

用意するものや施設の条件は、地域・施設・道具の種類によって違います。

施設を使う種目は、利用条件や料金が施設の案内に書かれているので、事前に目を通しておくと安心です。

一人でできるスポーツ12種目の特徴と始め方

ここからは、比較表の12種目を順に紹介します。

どの種目も「どんな種目か」「一人で始める方法」「用意するもの」「気をつけたいこと」の順にまとめました。

①ウォーキング

ウォーキングは、ふだんの歩く動作をそのまま運動にできる種目です。

前半で紹介したスポーツ庁の調査でも、女性がこの1年間に実施した種目の中で、割合がもっとも高かったのがウォーキングでした。

始め方は、家の近くの歩きやすい道や公園を一周するところからで構いません。

歩く時間や速さを自分で決められるため、その日の体調に合わせて短く切り上げることもできます。

用意するものは、歩きやすい靴と季節に合った服装、飲み物です。

暗い時間帯に歩く場合は、明るい色の服や反射材を身につけると、車や自転車から見えやすくなります。

暑い時期は、日差しの強い時間帯を避けるなど、時間の選び方も工夫のひとつです。

②ジョギング

ジョギングは、自分のペースでゆっくり走る種目です。

走り続けることを目標にせず、歩きと走りを交互にする方法もあります。

一人で始めるなら、ウォーキングの途中で短い距離だけ走ってみるところから試せます。

走る時間は、体調と相談しながら少しずつ延ばしていきます。

用意するものは、走りやすい靴と動きやすい服装、飲み物です。

靴は足に合うものを選び、膝や足首に痛みが出たときは無理に続けないようにします。

③サイクリング

サイクリングは、自転車で景色を楽しみながら移動する種目です。

近所の川沿いやサイクリングロードなど、行き先を自分で選べます。

坂道の多い地域では、電動アシスト自転車を選ぶこともできます。

用意するものは、自転車とヘルメット、ライトです。

警察庁によると、改正道路交通法の施行により、2023年(令和5年)4月1日から全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されています。

また、2026年4月1日から、16歳以上の自転車の運転者には、交通違反の手続きとして交通反則通告制度(いわゆる「青切符」)が適用されています。

走る前に、自転車の交通ルールを確かめておくと安心です。

(出典:警察庁「頭部の保護が重要です〜自転車用ヘルメットと頭部保護帽〜」・「自転車の新しい制度」/2026年10月12日確認)

④ハイキング

ハイキングは、自然の中の道を歩く種目です。

一人で始める場合は、公園の散策路や整備された自然歩道など、道が分かりやすく人の行き来がある場所から選ぶ方法があります。

山に入る場合は、計画の立て方に気をつけます。

警察庁の資料では、単独登山について「トラブル発生時の対処がグループ登山に比べて困難になることが多いことを念頭に、信頼できるリーダーを中心とした複数人による登山に努める」と呼びかけています。

同じ資料によると、2025年(令和7年)の単独登山の遭難者1,367人のうち、死者・行方不明者は209人で15.3%でした。

複数登山(2人以上)の遭難者では、死者・行方不明者の割合は5.5%です。

山に入るときは、登山計画書を作って家族などと共有することも勧められています。

一人で行くことにこだわらず、ガイドつきのツアーや講習会に一人で参加することもできます。

用意するものは、歩きやすい靴、雨具、地図、飲み物、携帯電話です。

(出典:警察庁「令和7年における山岳遭難の概況等」/資料の日付は2026年(令和8年)6月18日・2026年10月12日確認)

⑤水泳・水中ウォーキング

水泳は、プールで泳ぐ種目です。泳ぐことに不安がある方は、水の中を歩く水中ウォーキングから始める方法もあります。

水の中では浮力がはたらくため、陸上とは違う感覚で体を動かせます。

一人で始めるなら、自治体の運営するプールや民間のスポーツ施設の個人利用が入口になります。

初心者向けの教室がある施設もあります。

屋内プールなら天候の影響を受けにくい一方、屋外プールは利用できる季節が限られます。

用意するものは、水着、水泳帽、ゴーグル、タオルです。

水泳帽の着用など、利用のルールは施設ごとに決められているため、利用前に施設の案内を見ておくと安心です。

⑥壁打ちテニス

壁打ちテニスは、壁に向かってボールを打ち、跳ね返ったボールをまた打つ練習です。

相手がいなくても、ラケットとボールがあれば一人で続けられます。

始めるときは、壁打ちができる場所を探すところからです。

テニスコートのある公共施設などに壁打ち用の壁が設けられている場合がありますが、どこにでもあるわけではありません。

公園では、ボールを使う遊びのルールが公園ごとに決められている場合があるため、公園の案内板や管理者の案内で事前に確認します。

用意するものは、ラケット、ボール、運動靴です。屋外の壁では天候の影響を受けます。

⑦ゴルフ練習場

ゴルフ練習場は、打席からボールを打って練習する施設です。

コースに出なくても、練習場に一人で行って打つこと自体を楽しめます。

クラブの貸し出しがある練習場もあるため、道具をそろえる前に試すこともできます。

レッスンを行っている練習場もあります。

打席に屋根がある練習場もあり、天候の影響の受け方は施設によって違います。

用意するものは、クラブ(貸し出しがない場合)と運動靴です。

打つ球の数や休憩の取り方は自分で決められるため、最初は短い時間から試せます。

⑧ボルダリング

ボルダリングは、ロープを使わずに、壁に取りつけられた突起(ホールド)を手と足で登る種目です。

壁ごとに難しさの違う「課題」が用意されていて、自分に合うものを選んで取り組みます。

一人で始めるなら、屋内のボルダリングジムで初回の説明を受けてから登ります。

登っている途中で落ちたり飛び降りたりすることがあるため、着地のしかたや周りの人との距離など、ジムのルールと説明に従います。

用意するものは、動きやすい服装です。

専用シューズの貸し出しがあるジムもあります。

⑨ヨガ

ヨガは、呼吸に合わせてポーズをとり、ゆっくり体を動かす種目です。

自宅でも、スタジオや公共施設の教室でも取り組めます。

一人で始めるなら、動画や本を見ながら自宅で試す方法と、教室に通う方法があります。

ヨガにはさまざまな種類があり、動きのゆるやかさも違います。

種類ごとの特徴と選び方は、ヨガの種類と選び方|50代・60代から始める方へで紹介しています。

用意するものは、ヨガマットと動きやすい服装です。

痛みを感じるポーズは無理にとらず、できる範囲で行います。

⑩ピラティス

ピラティスは、マットの上で、呼吸と体の動きを合わせながら行うエクササイズです。

器具を使って行うスタジオもあります。

一人で始めるなら、動画や本を見ながら自宅のマットで試す方法と、スタジオに通う方法があります。

スタジオには、少人数で受けるレッスンや個別のレッスンなど、いくつかの形があります。

用意するものは、マットと動きやすい服装です。

動きの種類や回数を自分で調整しやすいため、最初は少ない回数から試せます。

⑪自宅での筋トレ・体操

自宅での筋トレや体操は、場所を選ばずに始められる種目です。

特別な道具がなくても始められ、マットがあると床の上の動きがしやすくなります。

テレビやラジオの体操番組に合わせて体を動かすこともできます。

太ももなど、部位を決めて筋トレを始めたい方に向けて、膝への配慮も含めた始め方を50代女性が太ももの筋肉を鍛える筋トレ|膝を痛めないための始め方で紹介しています。

どの動きも、痛みが出たら中止し、回数は少ないところから少しずつ増やしていきます。

⑫太極拳

太極拳は、中国で生まれた武術をもとにした、ゆっくりとした動きを続けて行う種目です。

公園や公民館などで、地域の教室が開かれている場合もあります。

一人で始めるなら、地域の教室で基本の動きを教わる方法と、動画を見ながら自宅で試す方法があります。

動きの大きさを自分で調整しやすい点も特徴です。

用意するものは、動きやすい服装と運動靴です。

屋外で行う場合は、天候の影響を受けます。

自分に合う種目を選ぶ5つのチェックポイント

12種目の中から選ぶときは、運動の種類よりも先に、自分の生活の条件を確かめておくと選びやすくなります。

ここでは、選ぶ前に確かめたい5つのポイントを紹介します。

1. 続けられる場所が近くにあるか

家から通える範囲に、歩ける道やプール、練習場、教室があるかを確かめます。

移動に時間がかかる場所は、行くこと自体が負担になる場合もあります。

2. 天候や季節にどこまで左右されてもよいか

屋外の種目は、雨の日や暑い時期、寒い時期に続けにくくなる場合があります。

比較表の「天候の影響」を見ながら、屋外の種目と屋内の種目を一つずつ選んでおくという選び方もあります。

3. 用意するものと施設の利用条件

道具をそろえる必要がある種目と、貸し出しを使える種目があります。

施設を使う種目は、利用できる曜日や時間、料金、予約の要否が施設の案内に書かれています。

4. 持病や体調について、医師への確認が必要か

持病がある方や、薬を飲んでいる方、膝や腰に痛みがある方は、どの種目なら始めてよいかを、事前にかかりつけの医師に確認しておきます。

5. 一人の時間に何を求めるか

黙々と体を動かしたいのか、景色を楽しみたいのか、少しずつ上達していく手応えがほしいのか。

何を楽しみたいかによって、合う種目は変わります。

自分の好みがはっきりしないときは、これまでの経験や好きだったことを振り返ってみるのも一つの方法です。

一人で始める場所と習い方の4つの選択肢

一人でできるスポーツは、独学で始めることも、施設や教室を使うこともできます。

ここでは、始める場所と習い方を4つに分けて紹介します。

1. 自宅や近所で、独学で始める

ウォーキングや自宅での体操は、動画や本、テレビやラジオの体操番組を見ながら、その日から始められます。

費用や移動の負担を抑えやすい一方、やり方が合っているかを自分で確かめにくい面もあります。

2. 自治体の体育館・プールなどの公共スポーツ施設を使う

自治体が運営する体育館やプール、トレーニング室などは、個人で利用できる場合があります。

初心者向けの教室を開いている施設もあります。

利用の条件や方法は自治体や施設ごとに違うため、お住まいの自治体のホームページや広報紙で確認できます。

3. 民間のスクール・ジム・スタジオを使う

民間のスクールやジム、スタジオでは、指導を受けながら始められます。

体験レッスンを用意しているところもあります。

曜日や時間が決まっているものと、日時を選べる予約制のものがあるため、振替やキャンセルの条件もあわせて確かめておきます。

4. 公民館などの単発の教室や体験会に参加する

公民館や地域の施設では、単発の教室や体験会が開かれる場合があります。

続けるかどうかを決める前に、一度試してみたいときの入口になります。

誰かと一緒に楽しむスポーツも気になる方は、モルックやボッチャなどを紹介したニュースポーツとは?50代・60代から始めやすい8種目と始め方も参考になります。

一人で続けるときのつまずきと工夫

一人で始めると、自分のペースで続けられる一方、続け方も自分で決めることになります。

ここでは、つまずきとして考えられる4つの場面と工夫、今日から始められる小さな一歩を紹介します。

つまずきとして考えられる4つの場面

一つめは、最初に頑張りすぎることです。

厚生労働省が運動を指導する立場の人に向けてまとめた資料では、「不慣れな人(普段の身体活動量が少ない人・強度が低い人)が急に普段以上の運動を行ったとき」を、運動関連の有害事象の発生リスクが高い場面として挙げています。

最初は短い時間から始め、少しずつ増やしていきます。

二つめは、天気や季節で途切れることです。

屋外の種目と屋内の種目を一つずつ持っておくと、雨の日も別の種目に切り替えられます。

三つめは、道具を先にそろえすぎることです。

貸し出しや体験を使い、続けられそうだと感じてから必要なものをそろえても遅くはありません。

四つめは、続いているかどうかが分からなくなることです。

体を動かした日にカレンダーへ印をつけるなど、簡単な記録を残すと、自分の歩みを振り返りやすくなります。

時間が取れない日が続いてしまうときの考え方は、趣味の時間が取れないストレスとの向き合い方でも紹介しています。

今日から始められる小さな一歩

ここでは、今日から試せる3つの一歩を紹介します。

  • いつもより10分多く歩く(アクティブガイド2023の「+10」の考え方)
  • 近くの公共スポーツ施設の利用案内を調べる
  • 気になる種目の動画を一本見て、自宅でできる動きを試す

体調に気をつけて楽しむために

一人でできるスポーツは、体調の変化に自分で気づく必要があります。

ここでは、始める前・その日の運動前・運動中に確かめたいことと、すぐに119番を考えたい症状をまとめます。

この記事は、運動による健康への効果を約束するものではありません。

始める前に確かめたいこと

厚生労働省の「アクティブガイド2023」の成人版では、安全のために、体を動かす時間や強度は少しずつ増やしていくこと、体調が悪い時は無理をしないこと、病気や痛みのある場合は医師や健康運動指導士などの専門家に相談することを挙げています。

持病がある方、薬を飲んでいる方、運動から長く離れている方は、始める前にかかりつけの医師に相談しておきます。

その日の運動前に確かめたいこと

厚生労働省が運動を指導する立場の人に向けてまとめた資料「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」には、運動前の体調確認の表があります。

表には、「熱がある」「体がだるい」「頭痛やめまいがする」「睡眠不足で体調が悪い」「少し動いただけで息切れや動悸がする」「胸が痛い」などの項目が並んでいます。

同じ資料では、1つでも当てはまる場合は「無理に運動をせずに、休養をとり、必要に応じて医療機関を受診するなどの対処をしましょう」としています。

運動中にやめたほうがよいサイン

同じ資料では、運動中に次のような症状を自覚するなど、体調に異変を感じたら、直ちに運動を中止するよう示しています。

  • 胸痛
  • 動悸
  • めまいやふらつき
  • 強い空腹感やふるえ
  • いつもと違う強い疲れ
  • 関節や筋肉の強い痛み
  • 冷や汗

中止したあとも症状が続く場合は、医療機関に相談します。

すぐに119番を考えたい症状

総務省消防庁の資料では、救急車が必要になる場面の例として、おとなに次のような症状がある場合を「重大な病気やけがの可能性があります」と示しています(一部を抜粋)。

こうした症状があるときは、119番に電話して救急車を呼びます。

  • 胸や背中:突然の激痛/急な息切れ、呼吸困難/胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2〜3分続く/痛む場所が移動する
  • 頭:突然の激しい頭痛/支えなしで立てないぐらい急にふらつく
  • 意識の障害:意識がない(返事がない)またはおかしい(もうろうとしている)/ぐったりしている
  • 事故:交通事故にあった(強い衝撃を受けた)/水におぼれている

同じ資料には、高齢者について「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」をまとめたページもあり、症状の挙げ方が一部異なります。

119番に電話するか迷ったときは、お住まいの地域の救急相談窓口(♯7119など)に相談する方法もあります。

暑さ寒さと水分、一人のときの備え

厚生労働省の同じ資料では、気温(室温)や湿度に対する配慮が必要なこと、運動中も15分に1回程度は水分・ナトリウムを補給することが示されています。

一人で出かけるときは、行き先と帰る時間を家族などに伝え、携帯電話を持っていきます。

山に入る場合は、④ハイキングで紹介した登山計画書の共有もあわせて確かめておきます。

(出典:厚生労働省「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」・アクティブガイド2023 成人版、総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう〜救急車 必要なのはどんなとき?〜」(2025年(令和7年)10月発行)/2026年10月12日確認)

よくある疑問

一人でできるスポーツを始める前に、気になりやすい疑問をまとめました。

体調に関わる判断は、かかりつけの医師にご相談ください。

Q: 運動から長く離れていても始められますか?

ウォーキングや自宅での体操のように、時間や強度を自分で調整しやすい種目から始める方法があります。

厚生労働省のガイドも「今よりも少しでも多く身体を動かす」ことを方向性として示しています。

始める前の体調の確かめ方は、「体調に気をつけて楽しむために」で紹介しています。

Q: 60代からでも始められますか?

厚生労働省のガイドは、「高齢者」「成人」を特定の年齢で区切ることは適当でなく、個人の状況に応じて取り組むことが重要だとしています。

60代から始める場合も、年齢だけで種目を決めず、体調や持病、これまでの運動の経験に合わせて選びます。

スポーツ庁の令和7年度(2025年度)の調査では、60代女性のスポーツ実施率(週1日以上)は53.8%でした。

Q: お金をかけずに始められる種目はありますか?

ウォーキングや自宅での筋トレ・体操は、特別な道具がなくても始められます。

施設を使う場合は、自治体の体育館やプールなどの公共スポーツ施設も選択肢になります。

利用料や利用方法は自治体ごとに違うため、お住まいの自治体の案内で確認してから出かけます。

Q: 女性が一人で行うとき、気をつけることはありますか?

屋外の種目では、暗い時間帯や人通りの少ない道を避ける、行き先と帰る時間を家族などに伝える、携帯電話を持っていくといった備えがあります。

施設を使う種目なら、スタッフのいる時間帯を選ぶ方法もあります。

Q: 膝や腰に不安がある場合はどうすればよいですか?

始める前に、かかりつけの医師や整形外科に相談し、どの種目なら始めてよいかを確かめておきます。

厚生労働省が指導する立場の人に向けてまとめた資料では、運動で悪化する整形外科的な問題がある場合の工夫として、あらかじめ医師に相談してから始めること、低強度・短い時間から始めることなどが挙げられています。

太ももの筋トレについては、膝への配慮を含めて50代女性が太ももの筋肉を鍛える筋トレ|膝を痛めないための始め方で紹介しています。

Q: 毎日しないと意味がありませんか?

厚生労働省のガイドは、目安の数字を示すと同時に、「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」ことを全体の方向性としています。

毎日できない日があっても、続けられる頻度から始め、少しずつ増やしていく考え方があります。

まとめ

一人でできるスポーツを、50代女性が趣味として始めやすい12種目に絞って紹介しました。

主なポイントは次のとおりです。

  • 屋外で楽しむ4種目、施設を利用する4種目、自宅や近所でも始められる4種目があり、場所・用意するもの・天候の影響が違う
  • 選ぶときは、通える場所、天候、用意するもの、体調、一人の時間に何を求めるかの5つを確かめる
  • 始め方は、独学・公共スポーツ施設・民間のスクール・単発の教室の4つから選べる
  • 最初は短い時間から始め、運動中に体調の異変を感じたら中止する。胸や背中の突然の激痛などがあるときは、119番に電話する

まずは、近くで続けられそうな種目を一つ選び、短い時間から試してみてはいかがでしょうか。

体を動かすこと以外の趣味も含めて探したい方は、50代女性の趣味の見つけ方|一人で・お金をかけずに始める選び方もあわせてご覧ください。


※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、医学的な効果効能を保証するものではありません。
体調に不安のある方や持病をお持ちの方は、医師にご相談の上、無理のない範囲でお楽しみください。
痛みや違和感を感じた場合は、無理せず中断してください。

参考にした資料(2026年10月12日確認)

50代からの趣味と仕事