「脚が重く感じる日が続く」「リンパケアという言葉を目にするけれど、何を学ぶものなのかはっきりしない」。そうしたところから、学んでみたいと考える方もいらっしゃいます。
調べ始めると、講座や資格の名前がいくつも見つかります。ところが、資格ごとの違いや、仕事にする場合の決まりごとまでを一度に整理した情報は、見つけにくいかもしれません。
この記事では、リンパケアを学ぶ楽しさ、資格の取得ルート、そして取り入れる前と仕事にする前に知っておきたいことを、順に整理します。
なお、この記事では次のことは扱いません。むくみや不調への対処を目的とした方法や、症状についての医学的な判断、通信講座の比較やランキング、求人・開業・収入の見通しです。
リンパケアとは|体の仕組みを知って、自分をいたわるセルフケア
リンパケアとは、体の中をめぐるリンパの仕組みを意識しながら、自分の手でさすったり体を動かしたりして、体をいたわるセルフケアの呼び名です。言葉の指す範囲は講座や団体によって幅があるため、まずこの記事で扱う範囲を整理します。
リンパとは、どんな仕組みか
リンパは、体の中にある仕組みの名前です。
国立がん研究センターのがん情報サービスでは、血液が体をめぐる際に毛細血管から漏れ出した体液の一部が、リンパ管に回収されてリンパ液になると説明されています。リンパ管は血管のように全身に張り巡らされており、その途中にあるリンパ節は、首の下やわきの下、脚の付け根などに集まっているとされています。
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「リンパ浮腫」(2025年9月5日更新・2026年9月24日確認)
講座や検定の中には、こうした体の仕組みの基礎から扱うものがあります。後で紹介するリンパケア検定の2級では、体やリンパ系についての一般的な知識や、行ってはいけない場合(禁忌)などが学ぶ内容として挙げられています。
「リンパケア」「リンパマッサージ」「リンパドレナージ」
呼び方がいくつもあるため、同じものなのか迷う方もいらっしゃいます。
講座名や資格名には、「リンパケア」のほか「リンパマッサージ」「リンパドレナージ(ドレナージュ)」といった言葉も使われています。この記事では、セルフケアとしての取り組みを「リンパケア」と呼びます。
一方で、リンパ浮腫の治療として行われるマッサージに、用手的(ようしゅてき)リンパドレナージがあります。医師の指示のもと、訓練を受けた看護師や理学療法士、作業療法士などが行うもので、一般のマッサージとは異なると説明されています(国立がん研究センター がん情報サービス「リンパ浮腫Q&A」2025年9月5日更新・2026年9月24日確認)。
名前が似ていても、医療として行われるケアと、この記事で扱うセルフケアとは別のものです。
この記事で扱う範囲
ここで、記事の範囲をはっきりさせておきます。
この記事で扱うのは、趣味や学びとしてのリンパケアです。医療としてのリンパ浮腫のケアは扱いません。がんの治療を受けた方でむくみが気になる場合の相談先は、後の「取り入れる前に知っておきたいこと」でご紹介します。
リンパケアについて、この記事で言えること・言えないこと
調べてみると、むくみや不調への効果をうたう説明を目にすることがあります。ただ、体で感じられることには個人差があり、誰にでも同じ変化が起きるとは言えません。ここでは、この記事が何を書き、何を書かないのかを先に示します。
効果を約束する書き方はしません
この記事では、体の状態がどう変わるかについて、断定できる材料がないという立場をとります。
講座や資格の案内には、健康や美容への効果を挙げているものもあります。ただしそれは案内する側の説明で、この記事がそのまま紹介できる根拠ではありません。
書けるのは、体験として感じられることです。自分の手で体に触れる時間を心地よいと感じる方も、一日の終わりにひと息つく時間として取り入れている方もいらっしゃいます。どう感じるかは人それぞれで、その違いも含めて自分の体に目を向けるきっかけになる、という見方もできます。
気になる症状があるときは、自己判断しない
むくみや体の重さは、日々の生活の中で感じることもあれば、体の状態によって起こる場合もあります。
むくみが続く、急に強くなった、いつもと違うと感じるといったときは、自己流のケアで様子を見るのではなく、医療機関にご相談ください。セルフケアは、症状の原因を確かめるものでも、治療の代わりになるものでもありません。
リンパケアを学ぶ3つの楽しさ
効果を前提にしなくても、学ぶことそのものに楽しみがあります。ここでは、体の仕組みを知ること、自分をいたわる時間をもつこと、身近な人と分かち合うことの3つに分けてご紹介します。
楽しさ① 体の仕組みを知る
一つめは、知識として学ぶ楽しさです。
リンパ管が体のどこを通り、リンパ節がどのあたりにあるのか。普段は意識しない体の仕組みを、図やテキストで一つずつ確かめていく過程そのものを楽しむ方もいらっしゃいます。
講座や検定によっては、手技だけでなく、体についての基礎知識を学ぶことを重視しているものもあります。子どもの手が離れて自分の時間が少しずつ戻ってきた方にとっては、新しい分野の本を開くこと自体が楽しみになる場合もあります。
楽しさ② 自分の手で、自分をいたわる時間をもつ
二つめは、自分のための時間をもつ楽しさです。
入浴のあとや寝る前など、一日の決まった時間に首や肩、脚に手を当ててみる。そうした時間を、慌ただしい日々の中でひと息つく習慣にしている方もいらっしゃいます。
取り入れるときは、力を入れすぎず、無理のない範囲で行ってください。痛みや違和感があれば、その日はやめて構いません。がんの治療を受けた方は、始める前に「取り入れる前に知っておきたいこと」の項目をご確認ください。
入浴と組み合わせる場合は、湯温や入浴時間の安全面にも目を向けておくと安心です。消費者庁が示している入浴の目安などは、温活とは?続けた結果や始め方、資格までを解説しますで紹介しています。
香りのある時間として組み立てたい方は、「アロマテラピー」を趣味にするもあわせてご覧ください。
楽しさ③ 学んだことを、身近な人と分かち合う
三つめは、人と分かち合う楽しさです。
学んだ体の仕組みを家族や友人との話題にする、一緒に体を動かす時間をつくる、といった形で、学びが人とのつながりに広がることもあります。講座の中には、家族や友人のために学ぶことを目的にしたものもあります(資格のセクションでご紹介します)。
ご家族など、ほかの方の体に触れる場合は、相手の体調や持病に配慮し、相手が痛みや違和感を訴えたらすぐにやめてください。相手が治療中の場合や持病がある場合は、主治医に相談してからにしましょう。
取り入れる前に知っておきたいこと
自分で取り入れられるセルフケアとはいえ、体に直接触れるものです。ここでは安全に関わる注意を、対象ごとに分けてご紹介します。ご自身に当てはまるものから確認してください。
痛みや違和感があるときは中断する
この項目は、ご自身で取り入れる方すべてに向けた内容です。
体に痛みや違和感があるときは、無理に続けず中断してください。持病をお持ちの方、薬を服用中の方、妊娠中の方は、取り入れる前に医師にご相談ください。
肌に傷や湿疹など気になる状態がある場合も、その部分には触れず、必要に応じて医療機関にご相談ください。
がんの治療を受けた方は、まず治療を受けた病院へ
この項目は、がんの治療(手術や放射線治療など)を受けた方に向けた内容です。
国立がん研究センターのがん情報サービスは、リンパ浮腫かもしれないと思ったときの相談先について、「まずは、治療を受けた病院に相談しましょう」と案内しています。治療を受けた病院への受診が難しい場合は、リンパ浮腫の診療を行っている病院に受診できるか相談することも示されています。病院の探し方が分からないときや症状に不安があるときの相談先としては、がん相談支援センターが挙げられています。
同じページでは、マッサージについて次のように説明されています。
「自分で行うマッサージや、お店などで受ける一般のマッサージは、リンパ浮腫の予防や治療には効果がありません。」
「リンパ浮腫を起こしている部位に一般のマッサージを行うと症状が悪化することがあるため、避けるようにしましょう。」出典:国立がん研究センター がん情報サービス「リンパ浮腫Q&A」(2025年9月5日更新・2026年9月24日確認)
これは、リンパ浮腫について示された説明です。この記事で紹介しているリンパケアは、リンパ浮腫の予防や治療を目的としたものではありません。がんの治療を受けた方でむくみが気になるときは、自己流のケアで様子を見る前に、治療を受けた病院に相談してください。
サロンなどで施術を受けるときに
この項目は、ご自身が施術を受ける側になる場合の内容です。
厚生労働省は、あん摩マッサージ指圧などの施術を受けようとする人に向けて、制度を理解したうえで有資格者による施術を受けるよう呼びかけています。
また、国家資格を持たない人による施術を受けた方から、健康被害の相談が報告されています。その要因の一つとして有資格者と無資格者の見分けにくさが指摘されていることから、見分けるためのリーフレットも作成しています。
出典:厚生労働省医政局医事課「無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について」、厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師と無資格者との判別について」(いずれも2026年9月24日確認)
神奈川県の案内では、施術者が免許を持っているかどうかは、施術所内で確認できるとされています。手がかりになるのは、免許証や「厚生労働大臣免許保有証」などの掲示です。
出典:神奈川県「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復について」(2025年2月28日更新・2026年9月24日確認)
施術を受ける前に、どのような資格を持つ人が行うのかを確かめておくと安心です。
50代・60代の体調の変化と、無理のない続け方
50代・60代は、生活も体調も変わりやすい時期です。取り入れ方を考えるときに、この前提を踏まえておくと続けやすくなります。
同じやり方でも、その時期の体調によって感じ方は変わります。以前は心地よかった力加減を強く感じる日もあります。体調に合わせて、やらない日があってよいと考えておくと、負担になりにくくなります。
現役で働いていて帰宅が遅い方、親の介護で自分の時間が取りにくい方、退職して家で過ごす時間が増えた方。生活の条件は人それぞれです。この記事では、年齢によって取り入れられる方法が決まるという見方はとりません。ご自身の体調と生活の条件に合わせて選ぶ、という組み立てで整理しています。
リンパケアの資格|3つの取得ルートで整理する
リンパケアの資格は、この記事で確認した範囲ではいずれも民間資格です。取得のしかたは「検定試験を受けるもの」「講座を受けて認定を受けるもの」「医療職を対象にしたもの」の3つに分けると整理しやすくなります。認定団体の公式サイトで確認できた内容のみを扱い、試験対策・勉強法・通信講座の比較は扱いません。
国家資格「あん摩マッサージ指圧師」とは別のもの
最初に、資格の性質を押さえておきます。
ここで紹介する資格は、いずれも民間団体が独自に認定する民間資格です。法律で業務の範囲や名称の使用が定められている資格ではありません。
これとは別に、国家資格として「あん摩マッサージ指圧師」があります。医師以外の人があん摩・マッサージ・指圧を業として行うには、法律にもとづくこの免許が必要とされています(出典と詳しい説明は、後の「資格を取ったあとの現実」でご紹介します)。
こうした民間資格を取っても、この国家資格を取ったことにはなりません。
ルート① 検定試験で知識を確かめる
講座の受講を条件とせず、公式テキストなどを使って自分で学び、試験を受ける形です。
例として、一般社団法人日本リンパ協会の「リンパケア検定」があります。2級と1級の2段階で、1級は2級の合格者のみ受験できます。受験料は2級6,600円、1級13,200円(いずれも税込)です。現在はオンライン受験のみで、随時実施とされています。出題数は2級が50問、1級が60問で、○×式と4択式です(2026年9月24日確認)。
学ぶ内容は級によって分かれています。2級は体やリンパ系に関する基本的な内容、1級は2級より踏み込んだ医学的な知識とされています。1級・2級の合格者に更新料はないと案内されています。
1級の合格後には、同協会のリンパケアアドバイザーの認定資格も案内されています。認定の条件は、検定のページでは「所定の手続き」、協会の「よくあるご質問」では「研修受講後」と書かれているため、申し込む前に公式サイトでご確認ください。
ルート② 講座を受けて認定を受ける
講座の受講が取得の前提になっている形です。級や資格によって、試験があるものとないものがあります。
日本リンパ協会の資格認定講座は、講師から直接学び、主に手技を中心に習得する講座と案内されています。同協会は資格を大きく2つに分けています。一つはセルフリンパケアやホームリンパケアのような「業(仕事)」として行わない資格、もう一つはセラピストや講師などのプロの資格です(同協会「よくあるご質問」・2026年9月24日確認)。
このうちホームリンパケア資格認定講座は、講座案内で「ご家族や友人を癒したい方のための講座」と紹介されています。内容と受講料は公式サイトでご確認ください。
自分のための講座にあたるセルフリンパケアの内容は、次のとおりです(2026年9月24日確認)。
- 3級(初級・4時間):受講資格は「どなたでも」とされ、試験はありません。受講料は17,600円(受講料・認定料・税込)で、別途材料費2,660円(税込)が必要です
- 2級(上級・10時間):3級修了者が対象で、試験があります。受講料は63,800円(受講料・試験料・認定料・税込)で、別途材料費11,970円(税込)が必要です
- 材料費は、該当するテキストなどをすでにお持ちの場合はかからないとされています
ほかに、日本能力開発推進協会(JADP)が認定する「JADP認定リンパケアセラピスト®」があります。受験できるのは、協会が指定する認定教育機関の教育訓練で全カリキュラムを修了した方です。カリキュラム修了後は随時在宅で受験でき、受験料は5,600円(税込)と案内されています。指定講座の受講料は講座側で定められているため、この記事では扱いません(2026年9月24日確認)。
ルート③ 医療職を対象にした資格
リンパのケアに関する資格の中には、医療職であることが前提になっているものもあります。
日本リンパ浮腫治療学会が認定する「リンパ浮腫療法士」では、受験資格として次の4つが定められています(2026年9月24日確認)。
- 医師・看護師・理学療法士・作業療法士・あん摩マッサージ指圧師のいずれかの資格を有していること
- 資格取得後に2年以上の実務経験があること
- リンパ浮腫治療に関する研修を修了していること
- リンパ浮腫外来やそれに準ずる医療機関で、研修修了後にリンパ浮腫の実施症例を5例以上積んでいること
取得方法としては「受験資格が定められている」タイプで、趣味として学び始める入口とは別の資格です。医療の現場でリンパ浮腫のケアに関わる方のための資格として、区別して考えてください。
主な資格と認定団体・費用の一覧
ここまでの内容を一覧にまとめます。受験料と受講料は性格が違うため、列を分けました。 材料費は受講料とは別に案内されているため、合計した金額は載せていません。いずれも2026年9月24日に各団体の公式サイトで確認したものです。
| 資格名 | ルート | 認定団体 | 受験・受講の条件 | 受験料・検定料(税込) | 受講料(税込) | 形式 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| リンパケア検定2級 | ① | 一般社団法人日本リンパ協会 | 年齢・経験等の制限なし | 6,600円 | 不要 | オンライン受験(随時) |
| リンパケア検定1級 | ① | 一般社団法人日本リンパ協会 | 2級合格者 | 13,200円 | 不要 | オンライン受験(随時) |
| セルフリンパケア3級(初級) | ② | 一般社団法人日本リンパ協会 | どなたでも | 試験なし | 17,600円(認定料を含む)。別途材料費2,660円 | 会場・オンラインライブ・動画(4時間) |
| セルフリンパケア2級(上級) | ② | 一般社団法人日本リンパ協会 | 3級修了者 | 受講料に含む | 63,800円(試験料・認定料を含む)。別途材料費11,970円 | 会場・オンラインライブ(10時間) |
| JADP認定リンパケアセラピスト® | ② | 日本能力開発推進協会(JADP) | 指定の認定教育機関の全カリキュラム修了 | 5,600円 | 指定講座で定められている | 在宅受験(随時) |
| リンパ浮腫療法士 | ③ | 日本リンパ浮腫治療学会 | 医療の国家資格・実務経験・研修修了・実施症例 | この記事では扱いません | — | — |
各団体の公式サイトは次のとおりです。
- 一般社団法人日本リンパ協会:https://lymphjapan.com/
- リンパケア検定:https://lymphcarekentei.lymphjapan.com/
- 日本能力開発推進協会(JADP):https://www.jadp-society.or.jp/course/lymph/
- 日本リンパ浮腫治療学会(リンパ浮腫療法士):https://jclt.jp/
合格率と合格基準
難しさの目安を知りたい方もいらっしゃいます。ここでは、書けることと書けないことを分けてお伝えします。
リンパケア検定は正解率7割以上(1級は42点以上、2級は35点以上)、JADP認定リンパケアセラピスト®は得点率70%以上で合格とされています。これらは合格に必要な得点の基準であって、合格率ではありません。
合格率は、リンパケア検定の概要ページとJADPの受験概要ページを確認した範囲では、確認できませんでした。そのため、この記事では合格率を示さず、推計もしません。
通えるか、自宅で完結するか
講座や検定を選ぶときは、自宅から受けられるかどうかも確かめておきたい点です。60代から学び始める方や、介護などで長く家を空けにくい方にとっては、選べる範囲を左右する条件になります。
日本リンパ協会のセルフリンパケア講座には、会場で受ける講座のほかに、オンラインライブ講座(3級・2級)と動画講座(3級のみ)が案内されています。動画講座は全編字幕付きとされています。
リンパケア検定はオンライン受験のみです。受験には画面の視認や操作が必要とされ、文字拡大・読み上げなどの個別のアクセシビリティ対応は行っていないと明記されています。不安な点がある場合は、申込み前に事務局へ相談するよう案内されています(2026年9月24日確認)。
資格を取ること自体をどう考えるかについては、50代の資格取得は「無駄」?取る前に考えたい5つのことで整理しています。
資格を取ったあとの現実|仕事にしたいと考えたときに
資格を取ったあとの使い道には、暮らしの中で活かす形もあれば、人に何かを提供する形もあります。この記事では、活かせる場面と、そうならない場面の両方をお伝えします。収入の見通しや求人については扱いません。
暮らしのなかで使う・学ぶこと自体を目的にする
身近なのは、自分や家族との暮らしの中で使う形です。
日本リンパ協会のリンパケア検定では、2級は自分と家族のケアをしたい方向けの内容と位置づけられています。仕事に結びつけることを前提にしない学び方も、団体の側で用意されているということです。
学ぶこと自体を目的にされている方も、学んだことを何かに活かしたい方もいらっしゃいます。体をいたわる学びには、「薬膳」を学ぶ魅力のような隣り合う分野もあります。
ほかの人に施術して仕事にするなら、法律の確認が先
ほかの人の体に触れる施術を仕事にしたいと考えた場合は、資格の前に、法律との関係を確かめる必要があります。
厚生労働省医政局医事課の案内は、次のとおりです。医師以外の人が施術所等であん摩・マッサージ・指圧などを業として行おうとする場合は、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和22年法律第217号)により、免許を受けなければならないと規定されています。無免許で業として行った場合は、同法による処罰の対象になるとされています。
出典:厚生労働省医政局医事課「無資格者によるあん摩マッサージ指圧業等の防止について」(2026年9月24日確認)
民間資格は、この免許の代わりになるものではありません。リンパケアとして行う施術がどこまでこの法律の対象になるかについて、この記事では判断しません。仕事として行うことを考えている場合は、お住まいの自治体の担当窓口(保健所など。名称は自治体によって異なります)にご相談ください。
資格そのものが、何かを許可するわけではありません
ここで紹介した資格は、いずれも民間団体の認定です。資格があることで、何かの営業や業務が許されるという性質のものではありません。
教えることを仕事にしたいと考える方に向けて、講師を目指す講座を設けている団体もあります。日本リンパ協会では、セルフリンパケア1級の試験に合格すると、3級などの講座の講師資格が得られると案内されています(2026年9月24日確認)。
ただし、講座を開く場所や受講する人を見つけることは、資格とは別に必要になります。資格を取ったからといって、教える仕事が自然に生まれるわけではない点も、あわせて知っておいてください。
よくあるご質問
学び方や資格について、この記事で扱える範囲の疑問にお答えします。体調や症状に関わるご質問は、医療機関にご相談いただく領域になります。
Q: リンパケアの資格は国家資格ですか?
この記事で紹介した資格は、いずれも民間団体が認定する民間資格です。関連する国家資格としてあん摩マッサージ指圧師がありますが、リンパケアの民間資格とは別のものです。
Q: リンパケアの資格は独学で取れますか?
ルートによって変わります。リンパケア検定は講座の受講が条件になっておらず、公式テキストなどで自分で準備して受験できます。一方、講座の受講が前提になっている資格は、独学だけでは取得できません。
Q: 資格を取れば、人に施術する仕事ができますか?
医師以外の人があん摩・マッサージ・指圧を業として行うには、法律にもとづく免許が必要とされています。リンパケアの民間資格は、この免許の代わりにはなりません。リンパケアとして行う施術がこの法律の対象になるかどうかは、この記事では判断していません。仕事として考えている場合は、お住まいの自治体の担当窓口(保健所など。名称は自治体によって異なります)にご相談ください。
Q: がんの治療後、むくみが気になっています。リンパケアを試してもよいですか?
まずは治療を受けた病院にご相談ください。国立がん研究センターのがん情報サービスは、自分で行うマッサージやお店などで受ける一般のマッサージは、リンパ浮腫の予防や治療には効果がないと説明しています。リンパ浮腫を起こしている部位に一般のマッサージを行うと、症状が悪化することがあるとも案内されています。
Q: リンパケアとリンパドレナージは違うものですか?
講座名などでは近い意味で使われる場合もあります。一方で、リンパ浮腫の治療として行われる用手的リンパドレナージもあります。国立がん研究センターのがん情報サービスでは、医師の指示のもとで訓練を受けた医療者が行うもので、一般のマッサージとは異なると説明されています。名前が似ていても、医療として行われるものとセルフケアとは分けて考えてください。
Q: 60代からでも学べますか?
リンパケア検定の公式サイトでは、2級について「受検資格に年齢・経験等の制限はなく、制度上はどなたでもお申し込みいただけます」と案内されています。セルフリンパケア3級講座も、受講資格は「どなたでも」とされています。自宅で受けられる形式があるかどうかも含めて、ご自身の生活に合うものを選んでみてください。
まとめ
リンパケアについて、学ぶ楽しさから資格、仕事にする前の注意までを見てきました。
主なポイントは次のとおりです。
- リンパケアは、リンパの仕組みを意識して自分をいたわるセルフケアの呼び名です。この記事では、効果を約束する書き方はしていません
- 学ぶ楽しさは、体の仕組みを知ること、自分をいたわる時間をもつこと、身近な人と分かち合うことにあります
- がんの治療を受けた方でむくみが気になる場合は、自己流のケアの前に、まず治療を受けた病院に相談します
- 資格は確認した範囲ではいずれも民間資格で、「検定試験」「講座で認定」「医療職向け」の3つのルートに分かれます
- 合格基準は公表されていますが、合格率は確認した公式案内では確認できませんでした
- ほかの人に施術して仕事にする場合は、あん摩マッサージ指圧師の免許に関する法律との関係を先に確かめます
学ぶ前に、まずご自身がリンパケアの何に惹かれているのかを言葉にしてみてはいかがでしょうか。体の仕組みを知りたいのか、自分の時間を整えたいのか。そこが定まると、選ぶルートも通い方も見えてきます。
※本記事は一般的な情報の提供を目的としており、医学的な効果効能を保証するものではありません。体調に不安のある方や持病をお持ちの方、薬を服用中の方、妊娠中の方は、医師にご相談の上、無理のない範囲でお取り入れください。痛みや違和感を感じた場合は、無理せず中断してください。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
※資格に関する記載は、2026年9月24日に各認定団体の公式サイトを確認して作成しています。受験資格・受験料・受講料・講座の形式・開催日程等は変更される可能性があるため、最新情報は一般社団法人日本リンパ協会、リンパケア検定、日本能力開発推進協会(JADP)、日本リンパ浮腫治療学会(リンパ浮腫療法士)の各公式サイトでご確認ください。
50代からの趣味と仕事

