看護師として働きながら、空いた時間に別の仕事をしてみたいと考えたとき、「看護師は副業禁止なのでは」と気になる方もいらっしゃいます。職場で「うちは副業はだめ」と聞いたことがあっても、それが法律の話なのか、職場の決まりなのか、はっきりしないこともあります。

結論からお伝えすると、看護師の副業のルールは一律ではありません。勤務先を運営しているのが国や自治体なのか、公務員ではない法人なのか、民間の医療法人なのかによって、ルールの出どころが変わります。同じ職場でも、常勤かパートか、定年後の再任用や再雇用かによって、扱いが変わることがあります。

この記事では、副業を認める職場への転職ではなく、今の勤務先のルールを確かめる方法に目を向けます。50代・60代で働き方の節目を迎える方に関わる、パートや再任用の場合の違いも取り上げます。なお、求人や収入の見込み、勤務先に知られないための方法は扱いません。

看護師の副業が「禁止」と言われるのはなぜか

「看護師は副業禁止」という言い方には、法律で決まっている場合と、勤務先の就業規則で決まっている場合の2つが混ざっています。まずこの2つを分けて考えると、ご自身の状況を確かめやすくなります。

公務員の看護師は、法律で「許可」や「承認」が必要

自治体が直接運営する病院や、国の機関で働く看護師は、公務員です。公務員には、地方公務員法や国家公務員法に、営利企業に関わることや、報酬を得てほかの仕事に就くことについての決まりがあります。

ただし、その決まりは「一律に禁止」という形ではありません。地方公務員は任命権者の許可、国家公務員は人事院の承認や所轄庁の長などの許可を受ける仕組みです。許可や承認を受けずに副業をすることが問題になると整理すると、分かりやすくなります。

民間の勤務先は、就業規則で決まる

医療法人や民間のクリニックなどで働く場合、副業のルールは勤務先の就業規則や雇用契約で決まります。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり」としたうえで、「原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。」と示しています。

とはいえ、実際の就業規則には「許可制」「届出制」「一定の場合は禁止」などの定めが置かれている場合があり、内容は勤務先ごとに違います。ガイドラインの考え方と、ご自身の勤務先の規則は、分けて確かめる必要があります。

看護の仕事と重なりうる制限の理由

勤務先が副業を制限できる場合として、厚生労働省のガイドラインは4つの場合を挙げています(原文は後の章で紹介します)。看護の仕事に置きかえると、たとえば次のような場面が、その4つと重なることがあります。

  • 夜勤明けや連続勤務のあとに副業を入れ、本業の勤務に疲れが響く
  • 患者さんや職場の情報を、副業の場で扱ってしまうおそれがある
  • ほかの医療機関で働くことが、本業の勤務先の正当な利益を害する競業にあたる

なお、競業についてガイドラインは、勤務先の正当な利益が侵害されない場合には、「同一の業種・職種であっても、副業・兼業を認めるべき場合も考えられる」としています。近くの医療機関で同じ看護の仕事をすること自体が、そのまま制限の理由になるとは限りません。

勤務先の運営主体で違う、副業のルールの出どころ

ご自身の副業のルールを確かめるとき、最初に見たいのは病院の名前ではなく「運営主体」です。「国立」「県立」「日赤」といった名前だけでは、職員の身分やルールの根拠は判断できません。ここでは運営主体ごとに、ルールの出どころを整理します。

自治体が運営する病院・保健所など(地方公務員)

県立病院や市立病院など、都道府県や市町村が運営する病院・保健所などで、自治体の職員として働く看護師は地方公務員です。地方公務員法第38条第1項は、次のように定めています。

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

条文のとおり、会社の役員を兼ねることや自分で事業を営むことだけでなく、報酬を得てほかの仕事に就くこと全般が、任命権者の許可の対象です。同条第2項では、人事委員会が人事委員会規則で許可の基準を定めることができるとされています。

自治体が設立した地方独立行政法人のうち、「特定地方独立行政法人」の職員も地方公務員です(地方独立行政法人法第47条)。勤務先がこの形で運営されている場合も、地方公務員法の決まりが関わります。

国の機関が運営する医療機関(国家公務員)

国の機関や、職員が国家公務員の身分をもつ独立行政法人(行政執行法人)で働く場合は、国家公務員法が適用されます。第103条は、営利企業の役員などを兼ねることや、自ら営利企業を営むことを禁じたうえで、人事院規則の定めにより人事院の承認を得た場合には適用しないとしています。第104条は次のとおりです。

職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。

ただし、国の機関で非常勤職員として働く場合は扱いが異なります。内閣人事局・人事院の「一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)」(令和8年4月)は、次のように書いています。

なお、非常勤職員(※2)は、国家公務員法第103条及び第104条の兼業規制の適用が除外されています。ただし、別途内規等で定めがある場合があります。

この「※2」で除かれているのは、「定年前再任用短時間勤務職員、暫定再任用短時間勤務職員及び任期付短時間勤務職員」です。短時間で働いていても、これらの職員は兼業規制の対象になります。同じQ&A集は、内規の有無や内容を所属組織の人事担当部局に確認するよう案内しています。常勤か非常勤かだけでなく、どの任用形態で働いているかを確かめてください。

国立病院機構・国立大学病院など(公務員ではない法人)

「国立」と名前がついていても、職員が公務員とは限りません。独立行政法人通則法第51条は「行政執行法人の役員及び職員は、国家公務員とする。」と定めており、国家公務員の身分をもつのは行政執行法人の役職員です。

総務省の「独立行政法人一覧(令和7年4月1日現在)」では、行政執行法人に「役職員が国家公務員の身分を有するもの(7法人)」という注記が付いています。国立病院機構には、その印が付いていません。

こうした法人について、「みなし公務員(準公務員と呼ばれることもあります)だから副業は禁止」と説明されることがあります。しかし、たとえば独立行政法人国立病院機構法第14条の定めは次のとおりです。

機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

これは、刑法などの罰則を当てはめるときに公務員と同じに扱うという規定で、副業ができるかどうかを定めたものではありません。国立大学法人の職員についても、国立大学法人法第19条は、罰則の適用に限って公務に従事する職員とみなすと定めています。一般地方独立行政法人の職員については、地方独立行政法人法第58条に同じ趣旨の規定があります。これらの法人の副業のルールは、法人ごとの就業規則などで定められています。

日赤などの公的医療機関・医療法人・民間のクリニック

日本赤十字社の病院や、医療法人・社会福祉法人・民間のクリニックで働く場合、副業のルールは勤務先の就業規則や雇用契約で決まります。この記事で確認した日本赤十字社法の条文には、職員を公務員とみなす規定は見当たりませんでした。

美容クリニックで働く看護師も、民間の勤務先として同じように就業規則を確かめることになります。

運営主体ごとの整理

ここまでの内容を表にまとめます。ご自身の勤務先がどの行にあたるか分からない場合は、雇用契約書や辞令、給与明細の発行元などで運営主体を確かめてください。

勤務先の運営主体職員の身分副業のルールの出どころ確かめる先
自治体(都道府県・市町村)が直接運営する病院・保健所など地方公務員地方公務員法第38条(任命権者の許可)自治体の規則・許可基準、人事担当
特定地方独立行政法人地方公務員地方公務員法第38条法人の人事担当
国の機関・行政執行法人国家公務員国家公務員法第103条・第104条(非常勤職員は一部を除き適用除外。内規に定めがある場合あり)所属機関の人事担当
国立病院機構・国立大学法人・一般地方独立行政法人公務員ではない(罰則の適用について公務員とみなされる法人もある)法人の就業規則など就業規則、人事担当
日本赤十字社・医療法人・社会福祉法人・民間のクリニック公務員ではない就業規則・雇用契約就業規則、人事担当

民間の勤務先が副業を制限できる4つの場合

公務員ではない勤務先で働く方が就業規則を読むときは、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(平成30年1月策定、令和2年9月改定、令和4年7月改定)が手がかりになります。ここでは、副業を制限できる場合と、労働時間の扱いを紹介します。

ガイドラインが示す4つの場合

ガイドラインは、裁判例を踏まえ、副業・兼業を制限できる場合として、次の4つを挙げています。

① 労務提供上の支障がある場合 ② 業務上の秘密が漏洩する場合 ③ 競業により自社の利益が害される場合 ④ 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

勤務先の就業規則に副業の制限があるときは、その定めがどの場合を想定しているのかを読むと、内容を理解しやすくなります。ただし、個別の副業がこれらにあたるかどうかや、就業規則の定めが有効かどうかは、この記事では判断できません。勤務先への確認や、弁護士・社会保険労務士などの専門家への相談が必要な領域です。

雇われて働く副業では、労働時間が通算される

ほかの勤務先に雇われて働く副業の場合、労働時間の扱いにも関わります。ガイドラインは、「労基法第38条第1項では『労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する』と規定されており」と説明しています。

さらにガイドラインは、「労働者からの申告等により把握した他の使用者の事業場における労働時間と通算すること」という考え方も示しています。看護職としてほかの医療機関でも働く場合など、雇用される副業では、副業先での勤務時間を本業の勤務先に伝える必要が出てくることがあります。夜勤や長時間の勤務がある看護の仕事では、この点も含めて確かめておくと安心です。

一方、ガイドラインは「次のいずれかに該当する場合は、その時間は通算されない。」として、「労基法が適用されない場合(例 フリーランス、独立、起業、共同経営、アドバイザー、コンサルタント、顧問、理事、監事等)」を挙げています。雇われて働くのか、自分で仕事を請け負うのかによって、確かめることが変わります。

パート・非常勤・定年後の再任用や再雇用で変わること

同じ職場で働き続けていても、雇用形態が変わると、副業のルールが変わることがあります。60代で再任用やパートに切り替わった方、これから定年後の働き方を考える50代の方にとって、確かめておきたい点です。

自治体のパートタイムの会計年度任用職員は、許可の対象外

自治体で、一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職に就く職員を「会計年度任用職員」といいます。地方公務員法第38条第1項には、次のただし書きがあります。

ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。

このため、パートタイムの会計年度任用職員は、第38条の許可の対象外です。ただし、許可が要らないことは、何をしてもよいという意味ではありません。総務省の「会計年度任用職員制度の運用に係る事務処理マニュアル」(令和8年3月)は、次のように書いています。

パートタイムの会計年度任用職員については、営利企業への従事等の制限の対象外としましたが、職務専念義務や信用失墜行為の禁止等の服務規律が適用となることに留意ください。

勤務時間中は本来の仕事に専念すること、公務員としての信用を損なう行為をしないことなどは、パートタイムでも求められます。

フルタイムの会計年度任用職員と、再任用の短時間勤務の職員は許可が必要

上のただし書きのカッコの中では、「短時間勤務の職を占める職員」と「第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員」(フルタイムの会計年度任用職員)が除かれています。つまり、この2つにあたる方は、常勤ではない働き方であっても、第38条の許可が必要な側に入ります。

「短時間勤務の職」は、地方公務員法第22条の4第1項で、「当該職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種の職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間である職」と定められています。同項は、条例で定める年齢に達した日以後に退職した方を、この短時間勤務の職に採用できるとする規定です。

条例で定める年齢に達したあとで常勤を退職し、短時間勤務の職に再任用されると、勤務時間は短くなっても、副業には引き続き許可が必要な場合があります。定年後の働き方を選ぶときは、どの身分・どの職で働くことになるのかを、人事担当で確かめておくと安心です。

民間の定年後の再雇用やパートは、雇用契約と就業規則を確認

民間の勤務先では、定年後に再雇用された方やパートタイムで働く方に、正職員とは別の就業規則や規程が適用される場合があります。副業についての定めも、別に置かれていることがあります。

契約を切り替えるときに、どの規程が適用されるのか、副業の定めはどうなっているのかを確かめておくと、あとで迷わずに済みます。複数の職場に雇われて働く場合は、前の章で紹介した労働時間の通算も関わります。

2025年・2026年の公務員の兼業制度の動き

公務員の兼業については、2025年から2026年にかけて、総務省と人事院から通知や見直しが出ています。「公務員の副業が自由になった」という意味ではなく、許可や承認の基準・運用を整える動きです。

総務省の通知(令和7年6月11日)

総務省は令和7年6月11日、各都道府県知事・各指定都市市長・各人事委員会委員長にあてて、「営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する留意事項について(通知)」(総行公第72号)を出しました。項目は「地方公務員の兼業許可及び許可基準の設定について」「許可基準の公表について」「兼業許可の運用について」の3つです。

通知では、許可基準について「庁内のみならず、庁外に対しても許可基準を公表することが求められること。」とされています。運用については、「兼業許可に一定の有効期間を設定した上で、兼業先の業務内容の報告を受けるなど」の取組に触れています。あわせて、兼業を許可した職員に「健康保持のため自己管理を行うよう助言や指導」を行うことも挙げています。

自治体の病院などで働いている方は、勤務先の自治体が兼業の許可基準を公表しているかどうかを、自治体の公式サイトや人事担当で確かめてみるとよいでしょう。

人事院の自営兼業制度の見直し(令和8年4月施行)

人事院は令和7年12月19日に「自営兼業制度の見直しについて」を公表し、「新たな制度は、令和8年4月1日から施行します。」としています。見直しでは、新たに「職員の有する知識・技能をいかした事業」と「社会貢献に資する事業」を承認できるようにするとされています。

これは国家公務員の制度の見直しです。自治体の病院などで働く地方公務員には、そのまま当てはまりません。地方公務員の場合は、上で紹介した総務省の通知と、勤務先の自治体の規則・許可基準を確かめることになります。

今の勤務先で確かめる手順

ルールの出どころが分かったら、次はご自身の勤務先の決まりを確かめます。職場に聞きにくいと感じる方もいらっしゃいますが、次の3つの手順で進めると、確かめる内容を整理できます。

1. 就業規則・服務規程のどこを見るか

民間の勤務先であれば、就業規則の「副業・兼業」「兼職」「服務規律」などの章を探します。自治体であれば、「営利企業等の従事制限に関する規則」などの名称で定められている場合があります。規則の名称は自治体ごとに違います。

読むときは、次の点を確かめます。

  • 許可制か、届出制か
  • 申請や届出の窓口と、出す時期
  • 禁止や制限の対象になる場合として、何が書かれているか
  • パートや再雇用・再任用の職員に、別の規程が適用されるか

2. 誰に、何を伝えて確認するか

規則を読んでも分からない点は、人事・総務の担当に確かめます。看護部を通して確認する職場もあります。

確認や申請のときに伝える内容としては、次のようなものがあります。

  • 副業の内容(どんな仕事か)
  • 雇われて働くのか、自分で仕事を請け負うのか
  • 時間帯と頻度、夜勤や当直との重なり
  • 続ける予定の期間
  • 本業の仕事や患者さんの情報と関わりがあるか

3. 回答は記録に残し、分からないときは公的な窓口へ

許可や回答を得たときは、口頭だけで済ませず、書面やメールなどで記録に残しておくと、あとで確かめられます。

民間の勤務先で働いている方には、労働条件について相談できる公的な窓口もあります。厚生労働省は、相談窓口として「都道府県労働局、労働基準監督署及び総合労働相談コーナー」を案内しています。公務員の方は、まず勤務先の人事担当に確かめます。就業規則の解釈や処分の当否など、個別の判断が必要な場合は、弁護士・社会保険労務士などの専門家に相談することになります。

副業を始める前に考えておきたいこと

許可を受けたり、就業規則で認められていることを確かめたりしたあとも、看護の仕事と両立させるうえで考えておきたい点があります。ここでは3つを取り上げます。

夜勤や休息との両立と、ご自身での健康管理

ガイドラインは、「労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である」としています。夜勤や交代勤務がある看護の仕事と副業を組み合わせる場合は、休息の時間を先に確保してから予定を組むという考え方もあります。

50代・60代では、体力や生活のリズムがそれまでと変わったと感じる方もいらっしゃいます。副業の時間は、本業のシフトと体調に合わせて、無理のない範囲で考えることが大切です。

守秘義務と、看護の知識を使う副業での注意

保健師助産師看護師法第42条の2は、次のように定めています。

保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなつた後においても、同様とする。

文章を書く仕事や、健康について話す仕事など、看護の経験を活かす副業では、勤務先で知った患者さんの情報や職場の内情を題材にしないよう注意が必要です。また、個別の症状について判断したり、治療を勧めたりしていると受け取られる伝え方は避けます。

看護の仕事以外の小さな仕事、たとえばハンドメイド作品の販売なども、勤務先の規定を確かめる点は同じです。

税の扱いは別に確認が必要

副業で収入を得た場合は、所得税の申告や住民税の手続きが関わることがあります。所得税については国税庁、住民税についてはお住まいの市区町村の案内で確認してください。税の手続きの詳細は、税理士または国税庁の公式サイトでご確認ください。

よくあるご質問

ここでは、看護師の副業のルールについて、次のような疑問に答えます。いずれも一般的な整理で、個別の判断は勤務先や専門家への確認が必要です。

Q:「みなし公務員」の病院で働いていると、副業は禁止ですか?

国立病院機構などの「みなし公務員」の規定は、刑法などの罰則を当てはめるときに公務員と同じに扱うという定めで、副業ができるかどうかを決めたものではありません。副業のルールは、その法人の就業規則などで定められています。

Q:日赤の病院で働く看護師は、公務員と同じルールですか?

日本赤十字社の病院で働く場合、副業のルールは法人の就業規則などで決まります。この記事で確認した日本赤十字社法の条文には、職員を公務員とみなす規定は見当たりませんでした。

Q:美容クリニックの看護師は、副業できますか?

美容クリニックは民間の勤務先にあたるため、就業規則や雇用契約の定めによります。許可制・届出制などの定めがあるかを確かめてください。

Q:パートで働いていても、届出や許可は必要ですか?

民間の勤務先では、パートの方に適用される就業規則の定めによります。自治体の場合、パートタイムの会計年度任用職員は地方公務員法第38条の許可の対象外ですが、服務の決まりは適用されます。なお、第38条の許可が要らない場合でも、自治体の規程により届出を求められることがあります。国の機関の非常勤職員も、一部の職員を除き国家公務員法の兼業規制の適用が除外されていますが、内規で定めがある場合があります。

Q:看護師の資格を使わない副業なら、関係ありませんか?

公務員の場合、地方公務員法第38条は「報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない」と定めており、資格を使うかどうかで区別していません。民間でも、就業規則の定めは資格の有無ではなく、勤務時間外の仕事全般を対象にしている場合があります。

Q:勤務先に知られずに副業をすることはできますか?

この記事では、知られないための方法は紹介していません。規定を確かめ、必要な許可や届出をしたうえで始めることを前提に整理しています。

まとめ

「看護師は副業禁止」と、一律に決まっているわけではありません。確かめるポイントは次の3つです。

  • 勤務先の運営主体:自治体・国の機関は法律による許可や承認、公務員ではない法人や民間は就業規則
  • ご自身の任用・雇用形態:自治体のパートタイムの会計年度任用職員は許可の対象外でも服務の決まりは適用、フルタイムの会計年度任用職員や短時間勤務の再任用職員などは許可が必要。国の機関の非常勤職員は、一部を除き法律の兼業規制の対象外(内規には注意)
  • 勤務先への確認:規則を読み、分からない点は人事担当に確かめ、回答を記録に残す

50代・60代で、常勤からパートへ、定年後の再任用や再雇用へと働き方が変わるときは、副業のルールを確かめ直すよい機会でもあります。ご自身の勤務先の規則を、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。


※本記事は2026年9月時点の法令・公的資料をもとに作成しています。法令や通知、勤務先の規程は変わることがあるため、最新の内容は各公式サイトと勤務先でご確認ください。個別の就業規則の解釈や処分の当否については、弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

※副業の収益や働き方は、仕事の内容・勤務先の規定・雇用契約などにより大きく異なります。本記事は収益を保証するものではありません。副業に関する税務処理は、収入額や雇用契約等の条件により異なります。詳細は税理士または国税庁公式サイトでご確認ください。

参考にした公的資料(特記のないものは2026年9月26日確認)

50代からの趣味と仕事